『西暦年の1位が1の年から数えて、連続する30年間について算出した累年平均値を平年値という。これをその統計期間に引き続く10年間使用し、10年ごとに更新する。』
と記載されています。
そうです。
今年は10年に1度、気象庁発表の平年値が更新される年です。
今年は10年に1度、気象庁発表の平年値が更新される年です。
現在の平年値は、1981~2010年の30年間の気象情報から算出された2010年平年値で、2011年5月18日から使用されています。
そして今年更新される平年値は、1991年から~2020年の30年間の気象情報から算出された2020年平年値となります。
試しに、美瑛の気象統計を用いて年平均気温の2020年平年値(予測)を算出し、2010年平年値と比較すると、以下のとおりです。
美瑛の平年値 | 平均 | 最高 | 最低 |
2010年平年値 | 5.6℃ | 11.1℃ | 0.0℃ |
2020年平年値 | 6.0℃ | 11.2℃ | 0.5℃ |
平均気温で0.4℃上昇、最高気温で0.1℃、最低気温で0.5℃の上昇です。
それでは、この上昇がどの季節で発生しているのかを見るために、1991年から~2020年のデータを用いて日々の平年値を算出してみることにします。
日別平年値の算出方法は、日別平滑平年値(日別の累年平均値に対して9日間移動平均を3回行う。)を用いて行い、その方法が気象観測統計指針に公開されていますので、30年分の気象データがあれば誰でも算出できます。
美瑛の気象統計を用いて、日々の2020年平年値(予想)を算出し、2010年平年値と比較したものが以下のグラフになります。
参考までに、過去10年毎に-30℃以下まで冷え込んだ日を調べてみると...
【1981年~1990年】
①1982年2月6日 -30.9℃
②1985年1月24日 -33.2℃
③1985年1月25日 -32.2℃
【1991年~2000年】
①1998年2月7日 -30.5℃
【2001年~2010年】
①2001年1月15日 -30.1℃
【2011年~2020年】
なし
やはり年を追うごとに減ってきていますね。
ちなみに、2011年~2020年の10年間における最低気温は、2020年2月9日の-29.8℃。
ちょうど新栄の丘で、凍れる身体に鞭を打ちながら撮影している時でした(笑)
美瑛のアメダスが設置されている場所は原野5線。
標高が250mですので、それ以上標高が高い丘の上では、-30℃を下回っていたことは間違いないと思いますが...
今回の平年値算出により、地球温暖化問題を再認識した次第であるとともに、今後、将来にわたって冬の最低気温上昇がずっと続いてしまうと、ダイヤモンドダストやサンピラーが出現する頻度が徐々に減ってきてしまいそうなことが、美瑛の写真愛好家としてはとても懸念されます。