今回は「美瑛の丘の美しい農業景観を後世に残していくために」シリーズの最終回です。
『美瑛町農地への無断侵入禁止条例』のたたき台を作成してみました。
このたたき台は、あくまで私の個人的な意見を記載したにすぎません。
本来、条例は、町民の方々が膝を詰め合って議論し、練り上げていくものです。
内容的にも、まだまだ不十分なところが多々ありますが、今後もし、町民の方々の意思で条例を作成することになった場合、微力ながらもその一助にでもなればという想いで、以下に提案させて頂きます。
(農地への無断侵入監視指導員)
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『美瑛町農地への無断侵入禁止条例』のたたき台を作成してみました。
このたたき台は、あくまで私の個人的な意見を記載したにすぎません。
本来、条例は、町民の方々が膝を詰め合って議論し、練り上げていくものです。
内容的にも、まだまだ不十分なところが多々ありますが、今後もし、町民の方々の意思で条例を作成することになった場合、微力ながらもその一助にでもなればという想いで、以下に提案させて頂きます。
美瑛町農地への無断侵入禁止等に関する条例(案)
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(前文) 美瑛町の農業景観は、雄大な十勝岳連峰の山々を背景に開拓の頃からの町民生活や農業の営みによってつくられてきました。 この美しい農業景観は、私たち町民に潤いと安らぎをもたらし、また訪れる多くの人々の心をいやし、感動を与えるなど全国的にも貴重な景観であり、町にとってかけがえのない財産です。 私たちは、この美しい農業景観や豊かな自然に囲まれた生活の中で、郷土を愛する心を育み、それを次の世代に伝えるとともに、いつまでもこの美しい農業景観を残していくことができる町であり続けたいと願うものです。 そのためには、農業景観作成の担い手である農家の方々が安心して農業を営めるよう、町民をはじめ、美瑛町に訪れる多くの人々との共存を図っていく必要があります。 私たちは、「美瑛の美しい景観を守り育てる条例」の理念のもと、この美しい農業景観が町民みんなの共有財産であることを認識し、美瑛町に訪れる多くの人々とともに、将来にわたって守り続けていくため、この条例を制定します。 (目的) 第1条 この条例は、農地への無断侵入禁止等により、本町の主産業である農業及び農家の生活を守るとともに、町民及び観光旅行者その他の滞在者の共存を図り、美しい農業景観を将来にわたって守り続けていくことを目的とする。 (定義) 第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 【農地】主として耕作もしくは養畜の事業のための採草または家畜の放牧の目的に供される土地をいう。公道に面した土壌部分や、田畑間の境界部分も含む。また、遊休農地や耕作放棄地など耕作されていない土地も含む。 【町民等】町民及び観光旅行者(カメラマン含む)その他の滞在者をいう。 【事業者等】美瑛町で事業を行うもの、及び美瑛町に訪れる事業者をいう。 【公道】道路法に基づく国道、道道、町道に加え、農林水産省が指定する農道や林道、自転車道、自然歩道をいう。 【公道等】公道を含む本条例第5条の①~⑩に示すものをいう。 【撮影ツアー等】カメラマン等による撮影ツアー、ネイチャーガイド等による散策ツアー、観光事業者等によるバスツアー、タクシーによる観光ツアー、ウェディング撮影ツアー等をいう。 【観光バス等】全長7m以上および車幅2.1m以上の大型バス、中型バス、小型バス、マイクロバス等をいう。 (本町の義務) 第3条 本町は、農地への無断侵入禁止等に関する施策を実施するとともに、農地への無断侵入禁止等に関する町民等及び事業者等の意識の啓発に努めなければならない。 2 耕作放棄地が発生した場合、農業景観を維持するとともに害虫等の大量発生を防止するために、本町は速やかに対策を講じなければならない。 (町民等及び事業者等の責務) 第4条 町民等及び事業者等は、農地への無断侵入等をしないよう努めなければならない。 (農地への無断侵入禁止区域の指定) 第5条 町長は、農業及び農家の生活を守るあると認められる区域を、農地への無断侵入禁止区域として指定することができる。但し、以下についてはその対象外とする。 ① 公道(詳細は地図に明記する) ② 公園(詳細は地図に明記する) ③ 農地ではあるが、地主が立ち入りを認めている場所(地主の指示に従うこと) (詳細は地図に明記する) ・四季彩の丘 ・ぜるぶの丘 ・赤麦の丘(地主が指定する赤麦鑑賞時期に限る) ・新栄の丘ヒマワリ畑のトラクター用通路(地主が指定するヒマワリ鑑賞時期に限る) ・ファームズ千代田 ・美瑛ファーム など ④ 農地ではあるが、本町が所有する場所 (詳細は地図に明記する) ・四季の交流館裏手の丘(通称:天空のテラス) ・映画「愛を積むひと」ロケ地跡 など ⑤ 宿泊等を目的とした宿泊施設への立ち入り ⑥ 飲食等を目的とした飲食施設への立ち入り ⑦ 商品購入等を目的とした購買施設への立ち入り ⑧ 鑑賞等を目的とした鑑賞施設(写真ギャラリー、ガーデン、美術館など)への立ち入り ⑨ 参拝等を目的とした神社への立ち入り ⑩ その他、施設利用等を目的とした公共施設等への立ち入り (国有林地域や大雪山国立公園などについて、本条例の対象外とするのであれば、その旨を追記する) (農地への無断侵入禁止区域での禁止行為) 第6条 第5条に掲げる「農地への無断侵入禁止区域」では、公道等からはみ出して農地へ無断侵入しないこと。具体的には、以下を禁止行為とし、正当な理由がある場合を除き、罰則の対象とする。 (具体的に、幾つかの写真を添付して、公道と農地の境界線を明示する) ① 人の立ち入り(農地に足を踏み入れる行為など) ② 撮影機器の立ち入り(農地に三脚の足を踏み入れる行為など) ③ 車両の立ち入り(農地に自転車や車のタイヤ踏み入れる行為など) ④ ペットの立ち入り(農地にペットを入れて写真を撮影する行為など) ⑤ 農作物への接触(牧草ロール・麦稈ロールに触れたり、小麦をむしり取ったりする行為など) ⑥ 農機具への接触(トラクター等に触ったり乗ったりするに行為など) ⑦ 自然環境の変更(撮影の邪魔になるため木の枝を折ったりする行為など) ⑧ 地権者の許可なきドローンの飛行(農地上空において無断でドローンを飛行する行為など) 2 農地であることを知らずに侵入した場合であっても、農地への侵入行為を即時に中止しなかった場合は、罰則の対象とする。 3 第5条で規程する農地への無断侵入区域においては、その対象外と指定する場所も含めて、正当な理由がある場合を除き、以下の行為を罰則の対象とする。 ① 缶、瓶その他の容器、たばこの吸い殼、チューインガムのかみかす、紙くず、動物のふんその他の物を投棄すること ② 農作業の邪魔になるような行為を行うこと(収穫期における農作業者の入口になるような場所への駐車、大型コンバインの通行を妨げるような行為など) (農地への無断侵入禁止区域における地権者からの許可の取扱いと責務) 第7条 第5条に掲げる「農地への無断侵入禁止区域」において、地権者より許可を得た場合のみ、農地へ立ち入りを許可する。但し、以下に該当する場合、罰則の対象とする。 ① 地権者の指示に従わなかった場合(靴カバー装着など) ② 地権者から許可を得ていることを証明する情報を携帯していない場合 ③ 農地へ立ち入りに対する追従者が発生するリスクを全く考慮しない立ち入りを行った場合(他の観光客がいる前で農地等へ立ち入りを行うなど) ④ 農地へ立ち入りに対する追従者が発生した際に、適切な対処を行わなかった場合(追従者に対して立ち入りを抑止する責務を負う) 2 地権者より許可を得る場合は、立ち入りを許可する期間を明示してもらうこと。期間の明示がない場合、許可日より7日までを有効とする。 (撮影ツアー等における農地への無断侵入に関する取扱いとツアー開催者の責務) 第8条 カメラマン等による撮影ツアーや観光バスツアー、ウェディング撮影ツアー等の最中に、ツアー参加者の中から第6条に該当する違反者が発生した場合、ツアー主催者は以下の責務を追う。責務を満たせない場合、罰則の対象とする。 ① ツアー参加者に対し、農地への無断侵入を行わないことを周知すること ② ツアー中に、ツアー参加者による農地への無断侵入が行われよう監視すること ③ ツアー中に、ツアー参加者による第6条違反が発生した場合、それを抑止すること 2 ツアー参加者に対して第6条違反を行うように誘導した場合、罰則の対象とする。(ウェディング撮影カメラマンがカップルを農地に入れる行為など) (観光バス等による通行制限道路について) 第9条 町長は、センターラインがない幅員の狭い道路について、多くの観光客等が訪れることにより町民等の日常生活に影響を及ぼすことが想定される場合、観光バス等の通行制限道路として指定することができる。 2 観光バス等の通行制限道路に観光バス等が侵入した場合、罰則の対象とする。 (農地への無断侵入を写した写真や映像の流布の禁止) 第10条 第6条に挙げる禁止行為を写した写真や映像をインターネットやSNS、動画共有サービス等で流布、もしくはマスメディア等で放送することを禁ずる。但し、第6条に挙げる禁止行為を戒める目的で流布した場合は除く。 2 前項の行為に対して、インターネットやSNS、動画共有サービス等で流布した写真や映像の削除・中止要求に応じなかった場合、罰則の対象とする。 3 前々項の行為に対して、マスメディア等で放送した場合、罰則の対象とする。 (罰則) 第11条 第6条もしくは第7条、第8条、第9条、第10条の2、第10条の3の規定に違反した者は、50,000円以下の過料に処する。 |
美瑛町農地への無断侵入禁止等に関する条例施行規則(案) |
第1条 農地への無断侵入等の禁止等に係る啓発活動、農地への無断侵入禁止区域における指導、条例第11条に規定する過料(以下「過料」という)の処分及び徴収(以下「過料の処分等」という)その他の農地への無断侵入禁止等に関する事務を行わせるため、農地への無断侵入監視指導員(以下「指導員」という)を置く。
2 指導員は、町長が任命する。
3 指導員は、農地への無断侵入等の禁止等に関する事務を行うときは、農地への無断侵入監視指導員証(第x号様式)を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
(過料の処分等に係る権限の委任)
第2条 町長は、指導員に過料の処分等に係る権限を委任する。
2 町長は、必要があると認めるときは、過料の処分等に係る事務を自ら執行する。
(過料)
第3条 条例第6条、第7条に該当するものについての過料の額は、初めての罰則の場合は2,000円とする。
2 2回目以降の罰則については、指導員が諸事情を鑑みて判断できることとし、過料の最大額は、50,000円とする。
3 美瑛町を主たるフィールドとして活動しているカメラマンについては、プロ・アマを問わず、常に50,000円とする。
4 条例第8条、第9条に該当するものについては、常に50,000円とする。
5 条例第10条の2に該当するものについては、常に10,000円とする。
6 条例第10条の3に該当するものについては、常に50,000円とする。
3 美瑛町を主たるフィールドとして活動しているカメラマンについては、プロ・アマを問わず、常に50,000円とする。
4 条例第8条、第9条に該当するものについては、常に50,000円とする。
5 条例第10条の2に該当するものについては、常に10,000円とする。
6 条例第10条の3に該当するものについては、常に50,000円とする。
7 過料の処分に係る地方自治法第255条の3第1項の規定による告知及び弁明の機会の付与は、農地への無断侵入等に係る過料に処する旨の告知書(第x号様式)により行うものとする。
8 過料の処分の通知は、農地への無断侵入等に係る過料処分決定通知書(第x号様式)により行うものとする。
最後に、今回の投稿をもって、このような問題に対する私のブログは、無期限休止とします。
過去数回に渡ってブログに記載してきたようなことは、本来、町民が主体的になって議論すべきものであるからです。
このブログに記載してあることは、町民の意思とは無関係に、私の個人的な考えや想いを記載しているにすぎません。
地方自治法第14条3項に以下の条文があり、地方公共団体が制定する条例に罰則規定を設けることが認められています。
『普通地方公共団体は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、その条例中に、条例に違反した者に対し、二年以下の懲役若しくは禁錮、百万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑又は五万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。』
これを処罰手続きで分類すると、以下のようになります。
【行政刑罰】処罰の手続は、刑事訴訟法によるもの(告発⇒送検⇒起訴⇒裁判⇒罪刑確定という、警察、検察、裁判所が関与する通常の刑事訴訟手続きが必要なもの)
① 二年以下の懲役若しくは禁錮
② 百万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑
【秩序罰】地方公共団体の長が行政処分の形で科し、地方税の滞納処分の例により強制徴収することができるもの(警察に頼ることなく、地方公務員等が違反者から直接罰金を収集できるもの)
③ 五万円以下の過料
つまり、③五万円以下の過料であれば、面倒で時間がかかる刑事訴訟手続きを経ることなく、地方公務員や地方公共団体の長が任命した者(警察OB等の嘱託職員が多い)が、直接条例違反者から罰金が収集できます。
『美瑛の丘の美しい農業景観を後世に残していくために - 美瑛ルールについて考える』でも記載した通り、数多く発生すると想定される農地への無断侵入者を刑事訴訟手続きで行うと、地検や裁判所のパンクが懸念されるため、罰則については秩序罰の「5万円以下の過料」として、たたき台を作成してみました。
『美瑛の丘の美しい農業景観を後世に残していくために - 美瑛ルールについて考える』でも記載した通り、数多く発生すると想定される農地への無断侵入者を刑事訴訟手続きで行うと、地検や裁判所のパンクが懸念されるため、罰則については秩序罰の「5万円以下の過料」として、たたき台を作成してみました。
地方自治法には「直接請求」という制度があり、住民の発意により、直接に地方公共団体に一定の行動を取らせることができます。
具体的には、有権者総数の50分の1以上の署名を集めることにより、代表者が町長に条例制定の請求を行うことができます。
現在の美瑛町における有権者総数は9000人弱と思いますので、180人程度の署名を集めれば、議会で審議を諮ることができるのです。
現在の美瑛町における有権者総数は9000人弱と思いますので、180人程度の署名を集めれば、議会で審議を諮ることができるのです。
美瑛の丘の美しい農業景観を後世に残していくために、行政がなかなか動いてくれないのであれば、町民自らが立ち上がって、この問題解決に向けて行動を起こして下さることを期待します。
最後に、今回の投稿をもって、このような問題に対する私のブログは、無期限休止とします。
過去数回に渡ってブログに記載してきたようなことは、本来、町民が主体的になって議論すべきものであるからです。
このブログに記載してあることは、町民の意思とは無関係に、私の個人的な考えや想いを記載しているにすぎません。
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