2010年、日本中の畜産農家・酪農家さん達が震撼する出来事が発生しました。
覚えていらっしゃる方も多いと思いますが、宮崎県で発生した牛、豚、水牛の口蹄疫ウイルスの流行です。
日本では、2000年に宮崎県で3戸、北海道本別町で1戸の感染が確認されてましたが、それ以来10年ぶりの口蹄疫感染となりました。
こちらのサイトに、当時の詳細が記載されておりますので、興味ある方は是非ご覧ください。
宮崎県口蹄疫復興メモリアルサイト
その後も口蹄疫の流行範囲は拡大し、宮崎県では最終的には297,808頭もの家畜(牛・豚)を殺処分することになってしまうという、とても悲劇的な出来ことでした。
牧草ロールはその後、トラクターを使ってトラックに乗せて、牧場に運ばれます。
そして、牛や豚など家畜のエサになるわけです。
牧草地は、都会人たちにとってはあまりなじみがなく、単なる草むらと思ってしまう人もいるかと思いますが、ここは牛や豚のエサを育てる立派な畑なのです。
牧草地に牧草ロールができると、観光客やカメラマンたちは目を輝かせながら集まってきます。
ひとりが不用意にも牧草地に入ってしまうと、それを追従するかの如く多くの人達が入り込み、牧草ロールのそばで写真を撮ったり、牧草ロールに寄り掛かったり、挙句の果ては牧草ロールに登ってしまったりなど、それはもう無法状態。
美瑛に足繁く通う人の多くは、そのような残念な場面に出くわした人が多いのではないでしょうか?
中国や韓国から来られた方、または中国や韓国に渡航歴のある方で、現地の牧草地に入られた方がいたら、もしかしたら過去に何万頭と殺処分して埋められた口蹄疫ウイルスが、靴底や衣服・かばんに付着しているかもしれません。
そのような方が、牧草地が畑と知らずに入ってしまい、靴底にもし口蹄疫ウイルスが付着していたら・・・
そのような方が、牧草ロールに寄りかかってしまい、衣服やかばんにもし口蹄疫ウイルスが付着していたら・・・
そのような方が、牧草ロールに乗ってしまい、靴底にもし口蹄疫ウイルスが付着していたら・・・
そうです。それが今、北海道、特に美瑛町で最も警戒しなければならない最大のリスクではないか、私はそう考えています。
北海道は、中国や韓国からの観光客がとても多く、その中でも美瑛町は、畑への無断侵入が圧倒的に多いからです。
美瑛では畑作農家と酪農・畜産農家の協力により、地域の農業、酪農・畜産業をお互いが支え合っています。
具体的には、酪農・畜産農家で発生した家畜の糞便を堆肥として畑作農家に提供したり、畑作農家が栽培した小麦畑の収穫後に出る麦わらを、家畜の寝床として酪農・畜産農家に提供したりなどです。
畑作農家が栽培する小麦畑
収穫期が来ると、畑作農家は大型コンバインで小麦の収穫を行います。
小麦の収穫が終わると、収穫した小麦をコンバインからトラックに移し、ライスセンターに運搬します。
収穫が終わった小麦畑には麦わらが残りますので、今度は酪農家さんが小麦畑にロールベーラーを持ち込んで麦稈ロールを作成します。
出来上がった麦稈ロールは、牧草ロールと同様に牧場に運ばれます。
そして、牛などの家畜の寝床となるのです(エサにする場合もあるそうです)。
もし、靴底に口蹄疫ウイルスが付着した方が小麦畑に侵入してしまったら、それが麦稈ロールとして牛の寝床になってしまうのです。
口蹄疫ウイルスは空気感染しますので、牛が麦わらの寝床に横たわった時に口蹄疫ウイルスが舞い上がり、牛が吸い込んでしまう。
そんなことも十分に考えられるのです。
もし、美瑛町で口蹄疫が本当に発症してしまったら、恐らく感染源の特定はほぼ困難かと思いますので、政府は北海道の農業・酪農を守るため、美瑛町内での封じ込めを行わざるを得ないでしょう。
感染が広範囲に渡った場合、町内の発症地域の家畜の全頭殺処分のみならず、観光客の牧草地侵入による口蹄疫持ち込みが疑われるため牧草地への消毒剤散布、そして観光客の小麦畑侵入による麦わらが感染源の可能性も否定できないので、地域一体の畑作農家の畑に対しても、ヘリを使って何日間もかけて消毒剤が散布される、そんな最悪の事態を思い浮かべてしまいます。
ここから先はもう考えたくもありません。
このような悲惨な事態を招かないようにするためには、牧草地を含む畑には絶対に入らないことです。
自分は、中国や韓国に行ったことがないから大丈夫、そう思うかもしれませんが、口蹄疫ウイルスは空気感染や接触感染します。
あなたが中国や韓国に行ったことがなくても、口蹄疫ウイルスが衣服や靴底に付着した人との接触等により、もしかしたらあなたの靴底や衣服に知らないうちに付着してしまっているかもしれません。
先日のブログでは、「ジャガイモシストセンチュウ」の話をしましたが、北海道病害虫防除所によると「新たに発生した病害虫」に記載されているように、毎年新たな病害虫が発生しているそうです。
とくに昨年は「ジャガイモシロシストセンチュウ」が網走市で発生し、「ジャガイモシストセンチュウ」に抵抗性のある品種で被害が発生したそうです。
私たち観光客が、靴底や三脚の足、自転車やバイク・車のタイヤ、そして自分の衣服やカバン...こういったものを介して、口蹄疫ウイルスや害虫、病原菌を畑に持ち込むことは絶対にあってはならないのです。
そのために私たちができることは「無断で絶対に畑に入らない」、これしかありません。
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覚えていらっしゃる方も多いと思いますが、宮崎県で発生した牛、豚、水牛の口蹄疫ウイルスの流行です。
日本では、2000年に宮崎県で3戸、北海道本別町で1戸の感染が確認されてましたが、それ以来10年ぶりの口蹄疫感染となりました。
こちらのサイトに、当時の詳細が記載されておりますので、興味ある方は是非ご覧ください。
宮崎県口蹄疫復興メモリアルサイト
口蹄疫とは、主に偶蹄類(牛、豚、羊、ヤギ、シカ、イノシシなど)に感染するウイルス性伝染病で、感染力が強く、一度発生すると畜産農家・酪農家の経営に大きな影響を与えます。
また口蹄疫は、家畜伝染病予防法で法定伝染病に指定されており、患畜や患畜が疑われる場合のみならず、同一厩舎の家畜は全頭殺処分ということが法律で定められています。国際獣疫事務局(OIE)の国際規約でも、全て殺処分ということが定められています。
口蹄疫はウイルスなので、感染した家畜が吐き出す呼気による空気感染、エサに付着したウイルスによる経口感染、傷口からウイルスが入り込む接触感染など、様々な感染経路があるため、一頭の家畜が感染してしまうと、瞬く間に伝染していきます。
なお、口蹄疫ウイルスに感染した家畜の牛乳を飲んだり、牛肉や豚肉を食べたりしても、人間に口蹄疫ウイルスが感染することはありません。
しかし家畜は経済動物です。(ドライな言い方で申し訳ございません)
ウイルス感染により、乳が出なくなった乳牛や、成長しなくなった肉牛や豚に、残念ながら存在価値はありません。生かすこと自体がエサ代など管理コストとして経営に降りかかってくるからです。
当時の民主党政権は、家畜伝染病予防法に基づき、そして伝染を宮崎県内に封じ込むため、発症地から半径10kmの全頭殺処分という判断を下しました。
口蹄疫はウイルスなので、感染した家畜が吐き出す呼気による空気感染、エサに付着したウイルスによる経口感染、傷口からウイルスが入り込む接触感染など、様々な感染経路があるため、一頭の家畜が感染してしまうと、瞬く間に伝染していきます。
なお、口蹄疫ウイルスに感染した家畜の牛乳を飲んだり、牛肉や豚肉を食べたりしても、人間に口蹄疫ウイルスが感染することはありません。
しかし家畜は経済動物です。(ドライな言い方で申し訳ございません)
ウイルス感染により、乳が出なくなった乳牛や、成長しなくなった肉牛や豚に、残念ながら存在価値はありません。生かすこと自体がエサ代など管理コストとして経営に降りかかってくるからです。
当時の民主党政権は、家畜伝染病予防法に基づき、そして伝染を宮崎県内に封じ込むため、発症地から半径10kmの全頭殺処分という判断を下しました。
その後も口蹄疫の流行範囲は拡大し、宮崎県では最終的には297,808頭もの家畜(牛・豚)を殺処分することになってしまうという、とても悲劇的な出来ことでした。
私も、当時の東国原知事が、宮崎牛ブランド死守のため、感染していなかったエース級の種牛6頭だけは殺処分されてなるものかと離れた場所に移し、特例救済を受けるために嘆願していたニュースを思い出します。
なぜ口蹄疫が宮崎に持ち込まれることになったのか、残念ながらその感染源は明確になっいないようです。しかし、以下のように中国から輸入した稲わらを感染源として疑う記事やレポートも出ています。
・口蹄疫で揺れる宮崎(9)~感染原因は稲わら?
・【検証】中国産稲わらの感染源の可能性
そうです、口蹄疫は隣国である中国や韓国、台湾、香港で頻繁に発生しているのです(農林水産省:口蹄疫に関する情報)。
特に、中国や韓国では、毎年のように口蹄疫が発生しています。
稲わらは家畜のエサになりますので、そのエサを介して口蹄疫に感染したのではないかと疑われている訳です。
美瑛では、それまで観光客などによる牧草地への無断侵入に対して、酪農家さん達は比較的寛容でしたが、この悲惨な出来事を機に、私たち観光客の目から見ても変化がありました。
その変化とは、牧草地への立入禁止看板の設置です。
口蹄疫を農地に持ち込ませないという、酪農・畜産農家さんたちの強い意思表示です。
牧草地で育てた牧草は、美瑛では6月~9月にかけて年3回くらい刈り取りを行い、数日間乾燥させた後、牧草ロールを作成します。
なぜ口蹄疫が宮崎に持ち込まれることになったのか、残念ながらその感染源は明確になっいないようです。しかし、以下のように中国から輸入した稲わらを感染源として疑う記事やレポートも出ています。
・口蹄疫で揺れる宮崎(9)~感染原因は稲わら?
・【検証】中国産稲わらの感染源の可能性
そうです、口蹄疫は隣国である中国や韓国、台湾、香港で頻繁に発生しているのです(農林水産省:口蹄疫に関する情報)。
特に、中国や韓国では、毎年のように口蹄疫が発生しています。
稲わらは家畜のエサになりますので、そのエサを介して口蹄疫に感染したのではないかと疑われている訳です。
美瑛では、それまで観光客などによる牧草地への無断侵入に対して、酪農家さん達は比較的寛容でしたが、この悲惨な出来事を機に、私たち観光客の目から見ても変化がありました。
その変化とは、牧草地への立入禁止看板の設置です。
口蹄疫を農地に持ち込ませないという、酪農・畜産農家さんたちの強い意思表示です。
牧草地で育てた牧草は、美瑛では6月~9月にかけて年3回くらい刈り取りを行い、数日間乾燥させた後、牧草ロールを作成します。
牧草ロールはその後、トラクターを使ってトラックに乗せて、牧場に運ばれます。
そして、牛や豚など家畜のエサになるわけです。
牧草地は、都会人たちにとってはあまりなじみがなく、単なる草むらと思ってしまう人もいるかと思いますが、ここは牛や豚のエサを育てる立派な畑なのです。
牧草地に牧草ロールができると、観光客やカメラマンたちは目を輝かせながら集まってきます。
ひとりが不用意にも牧草地に入ってしまうと、それを追従するかの如く多くの人達が入り込み、牧草ロールのそばで写真を撮ったり、牧草ロールに寄り掛かったり、挙句の果ては牧草ロールに登ってしまったりなど、それはもう無法状態。
美瑛に足繁く通う人の多くは、そのような残念な場面に出くわした人が多いのではないでしょうか?
中国や韓国から来られた方、または中国や韓国に渡航歴のある方で、現地の牧草地に入られた方がいたら、もしかしたら過去に何万頭と殺処分して埋められた口蹄疫ウイルスが、靴底や衣服・かばんに付着しているかもしれません。
そのような方が、牧草地が畑と知らずに入ってしまい、靴底にもし口蹄疫ウイルスが付着していたら・・・
そのような方が、牧草ロールに寄りかかってしまい、衣服やかばんにもし口蹄疫ウイルスが付着していたら・・・
そのような方が、牧草ロールに乗ってしまい、靴底にもし口蹄疫ウイルスが付着していたら・・・
そうです。それが今、北海道、特に美瑛町で最も警戒しなければならない最大のリスクではないか、私はそう考えています。
北海道は、中国や韓国からの観光客がとても多く、その中でも美瑛町は、畑への無断侵入が圧倒的に多いからです。
美瑛では畑作農家と酪農・畜産農家の協力により、地域の農業、酪農・畜産業をお互いが支え合っています。
具体的には、酪農・畜産農家で発生した家畜の糞便を堆肥として畑作農家に提供したり、畑作農家が栽培した小麦畑の収穫後に出る麦わらを、家畜の寝床として酪農・畜産農家に提供したりなどです。
畑作農家が栽培する小麦畑
収穫期が来ると、畑作農家は大型コンバインで小麦の収穫を行います。
小麦の収穫が終わると、収穫した小麦をコンバインからトラックに移し、ライスセンターに運搬します。
収穫が終わった小麦畑には麦わらが残りますので、今度は酪農家さんが小麦畑にロールベーラーを持ち込んで麦稈ロールを作成します。
出来上がった麦稈ロールは、牧草ロールと同様に牧場に運ばれます。
そして、牛などの家畜の寝床となるのです(エサにする場合もあるそうです)。
もし、靴底に口蹄疫ウイルスが付着した方が小麦畑に侵入してしまったら、それが麦稈ロールとして牛の寝床になってしまうのです。
口蹄疫ウイルスは空気感染しますので、牛が麦わらの寝床に横たわった時に口蹄疫ウイルスが舞い上がり、牛が吸い込んでしまう。
そんなことも十分に考えられるのです。
もし、美瑛町で口蹄疫が本当に発症してしまったら、恐らく感染源の特定はほぼ困難かと思いますので、政府は北海道の農業・酪農を守るため、美瑛町内での封じ込めを行わざるを得ないでしょう。
感染が広範囲に渡った場合、町内の発症地域の家畜の全頭殺処分のみならず、観光客の牧草地侵入による口蹄疫持ち込みが疑われるため牧草地への消毒剤散布、そして観光客の小麦畑侵入による麦わらが感染源の可能性も否定できないので、地域一体の畑作農家の畑に対しても、ヘリを使って何日間もかけて消毒剤が散布される、そんな最悪の事態を思い浮かべてしまいます。
ここから先はもう考えたくもありません。
このような悲惨な事態を招かないようにするためには、牧草地を含む畑には絶対に入らないことです。
自分は、中国や韓国に行ったことがないから大丈夫、そう思うかもしれませんが、口蹄疫ウイルスは空気感染や接触感染します。
あなたが中国や韓国に行ったことがなくても、口蹄疫ウイルスが衣服や靴底に付着した人との接触等により、もしかしたらあなたの靴底や衣服に知らないうちに付着してしまっているかもしれません。
先日のブログでは、「ジャガイモシストセンチュウ」の話をしましたが、北海道病害虫防除所によると「新たに発生した病害虫」に記載されているように、毎年新たな病害虫が発生しているそうです。
とくに昨年は「ジャガイモシロシストセンチュウ」が網走市で発生し、「ジャガイモシストセンチュウ」に抵抗性のある品種で被害が発生したそうです。
私たち観光客が、靴底や三脚の足、自転車やバイク・車のタイヤ、そして自分の衣服やカバン...こういったものを介して、口蹄疫ウイルスや害虫、病原菌を畑に持ち込むことは絶対にあってはならないのです。
そのために私たちができることは「無断で絶対に畑に入らない」、これしかありません。
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