先日美瑛に行った際、哲学の木近くの福富豊栄付近では、道路から見て左右両側にヒマワリ畑が広がっていました。

 しかし、このような景観の良い場所では、残念ながらかなりの確率でこのような不愉快な光景を目にしてしまいます。
畑侵入

 この方、見た目は還暦くらいの女性で、車は「わ」「れ」でない地元ナンバー。

 注意しても言うこと聞かなければ、軽犯罪法第1条32号違反の現行犯として警察に突き出そうと思っていたので、その証拠写真を撮っていたところ、後ろからカメラを向けられているのに気付いたようで、「すいません。ここにいると邪魔ですよね?」って言って、少し左(水たまりの後ろ)に移動されました。

 その時この人、根っからの悪質人間ではなく、曲りなりにも一応周りに気配りができるおばさんだなと思いましたので、警察に突き出す必要はないなと感じました。

 問題は、今、自分の立っている場所が畑の中であるという認識がないこと。

 本来なら「このヒマワリ畑は、緑肥と言う農作物で、土地の地力増進や有害センチュウ防除のために栽培して畑にすき込むのですよ。そこにあなたの靴底に付いているかもしれない病原菌が入り込んでしまったら、せっかくの緑肥も台無しですよね。」などと言って優しく諭すべきところでしょうが、この不愉快な状況を目にしてしまった中で、私にはそこまで優しく諭すことのできる心の余裕を持ち合わせていなかったですし、ましてや首都圏の都会育ちの旅行者ある私が、自分より年上であろうと思われる地元の方に対してそのような口の聞き方をするのも気が引けたので、「そこは畑なので、アスファルトの所まで上がってください。」とそっけなく言うに留めました。

 幸いその女性は、ポカーンと口を開けながらもアスファルトの所まで上がってくれましたが。

 すると間もなく、1台の地元ナンバーの車がこの50メートルくらい先に止まり、2人組が車から降りて来るや否や、畑に入ろうとしてます。

 お前らもか~とかなり憤りを感じていたので「すいませ~ん!入ってはダメですよ~!!!」と拓真館にも届け~とまでの腹の底から可能な限りの大声で叫びました。すると大声にビビったのでしょう。すぐさまアスファルトの所まで戻ってくれました。

 同時にその女性も、その時ハッと気付いてくれたようで、以降はアスファルト部分から三脚も含めて畑にはみ出すことはありませんでした。


 以上のように、地元民(といっても車のナンバーからは稚内まで含まれてしまいますが)ですらこの有り様です。

 畑・牧草地と雑草地、観光花畑、公園の区別すらおぼつかない都会の観光客や、畑侵入が日本のように犯罪であるかも良く分からない海外からの観光客が、このような綺麗なヒマワリ畑を見たらどのような行動を起こすでしょうか?

 これは先日の旅の初日の写真。
アスファルト

 二人組の男性、この写真ではアスファルト部分でギリギリ立ち止まっていますが、ここ写真を撮るまでの経緯としては以下の通りです。

 雨の中、翌日以降に備えてヒマワリやキカラシ探しのロケハンを行っていたところ、三本の木のそばにヒマワリ畑を発見。車を止めて写真を撮っていると、一台の車(「わ」ナンバー)が通り過ぎましたが、バックして戻ってきて私と同じ路肩に車を突っ込んできました。

 すると金正男(キムジョンナム)のような風貌の二人組が車を降りてきて、いきなりアスファルト部分を通り越して畑の中へ。
 
 風貌にちょっとビビりましたが、ここで怯んでは男が廃ると思い、「ダメですよ!入ったら。アスファルトの所まで戻ってください!」
 
 すると素直にもアスファルトまで戻ってくれましたが、二人の会話を聞くと日本語ではない言葉が。彼らが日本語を理解したのかどうかは分かりませんが、一応、身振り手振りでも説明したので理解してくれたようです。

 でも相手は理解不能な行動をすることが多いアジア系外国人。私がこの場を先に離れると、再び畑に入っていくかもしれないと思いましたので、二人が先にこの場を離れるまで、写真を撮るふりして監視していました。その時の写真です。


 やはりこのような景観を見ると、地元民であれ内地の人であれ海外からの観光客であれ、「畑に入ってはいけない」という強い自制心がない限り、残念ながら吸い込まれるように畑に入って行ってしまう人がいるというのが現状です。もしかしたら、畑であることは認識しつつも、農作物が植わっていないところまでは入って良いと勝手に解釈しているのでしょうか?

 農村地における観光客としての心得にあまりにも無恥であること、そして畑侵入が軽犯罪法第1条32号違反という立派な犯罪であることを知らないことが最大の原因でしょう。

 このような畑侵入者が一人でも出てしまうと、追従者が出てしまいことが最大の懸念です。一人の侵入者であれは、よほどの悪質者でない限り、対応は比較的容易ですが、追従者がどんどん出てきてしまうと、警察でないと手に負えなくなってしまいます。

 人は自ら一線を越えるのは躊躇する人が多いですが、誰かが行っていれば、それを追従するのに精神的な負担はあまりかかりません。そして、そのよう追従者が増えて行くと、僕も私もと逆に追従しなければ損というような気持ちになってしまい、最終的には「赤信号、みんなで渡れば怖くない。」というように、嵐の木のような悲劇を生むことになってしまいます。

 だからこそ、最初の一人を畑に絶対に侵入させない、これが最も重要です。そのためには、もっともっとこの問題について情報発信していき、多くに方々に認識・理解してもらいながら、農村地の観光に来た時の心得とルールを知らない状態でこの地に来ないようにしていく必要があります。

 同時に、この風景が大好きでこの景観をずっと守っていきたいと思う人は、決して傍観者になるのではなく、このような問題に直面した時、またはこのような問題を多くの方々に認識・理解してもらうために、自分に何が出来るかを考え、実践して頂きたいと思います。

 以前のブログで「郷に入っては郷に従え ~美瑛を訪れる観光客の心得~」では、美瑛を訪れる観光客として必ず理解し実践しなければならない農村地観光の心得について、私の考えを記載させて頂きました。

 また「畑侵入者発見!あなたは追従する?黙認する?注意する?」では、嵐の木を中心に、畑侵入者とそれを追従する多くの人が起こした悲劇と、畑侵入が立派な犯罪であること、そして私自身の対応について記載させて頂きました。

 今回のブログでは、具体的にどこからが畑で、絶対に侵入してはいけないかを明確に記載したいと思います。

 明確なルールは「道路のアスファルト部分から、自分の足も三脚もはみ出さない」が大原則です。勿論、道路と農地の境目である未舗装の路肩部分に、溝や土手などでその区別が容易に判別できる場合には、その境界線を越えない限りは問題ありません。しかし、そのような明確な境界がない場合、絶対にアスファルトからはみ出さないことです。尚、積雪期に電柱を目印されている方もいらっしゃるようですが、農地に電柱が立っている場合も多々ありますので、電柱は正確な目印にはなり得ません。

 よって上の写真のように、道路と農地を結ぶトラクタの出入り口部分や停車スペースなど、路肩でアスファルトとなっている部分では、絶対にアスファルトからはみ出さないことです。上の写真で二人の男性が立っている場所、あそこが境界線ギリギリの場所です。

 以上のようなことは、観光協会のブログやFacebook等で時々断片的に記載されることがありますが、内容が整理されて記載されたものを見たことがありませんでしたので、あえて記載させて頂きました。


 最後に先日見た嵐の木。小さい2本の木は、5本の木の脇に移動されたようです。
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 何故、元の5本の木に戻したのか理由は定かではありませんが、この木と所有者および周辺の農家の方々が、再び以前のような悲劇に襲われないよう願うと同時に、多くの方々にこのような問題に認識・理解頂き、農村地の観光に来た時の心得とルールを学んで頂きたいと思います。

 
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