丘の旅人

『美瑛の丘をめぐる旅』 を中心に、北海道の旅行記や街めぐり&ドライブ日記を綴っています。
※リンクフリーです。
※当ブログに掲載している写真や記事の無断引用は、固くお断りしております。

気象情報

今年は10年に1度の平年値が更新される年です

 気象観測統計指針によると...

『西暦年の1位が1の年から数えて、連続する30年間について算出した累年平均値を平年値という。これをその統計期間に引き続く10年間使用し、10年ごとに更新する。』

 と記載されています。

 そうです。
 今年は10年に1度、気象庁発表の平年値が更新される年です。

 現在の平年値は、1981~2010年の30年間の気象情報から算出された2010年平年値で、2011年5月18日から使用されています。

 そして今年更新される平年値は、1991年から~2020年の30年間の気象情報から算出された2020年平年値となります。

 試しに、美瑛の気象統計を用いて年平均気温の2020年平年値(予測)を算出し、2010年平年値と比較すると、以下のとおりです。
美瑛の平年値  平均   最高   最低 
 2010年平年値  5.6℃ 11.1℃ 0.0℃
 2020年平年値  6.0℃ 11.2℃ 0.5℃

 平均気温で0.4℃上昇、最高気温で0.1℃、最低気温で0.5℃の上昇です。

 それでは、この上昇がどの季節で発生しているのかを見るために、1991年から~2020年のデータを用いて日々の平年値を算出してみることにします。

 日別平年値の算出方法は、日別平滑平年値(日別の累年平均値に対して9日間移動平均を3回行う。)を用いて行い、その方法が気象観測統計指針に公開されていますので、30年分の気象データがあれば誰でも算出できます。

 美瑛の気象統計を用いて、日々の2020年平年値(予想)を算出し、2010年平年値と比較したものが以下のグラフになります。

20210117-01

 グラフをざっと眺めてみると、特に冬の最低気温が1℃程度上昇しているのが分かると思います。

 参考までに、過去10年毎に-30℃以下まで冷え込んだ日を調べてみると...

 【1981年~1990年】
  ①1982年2月6日 -30.9℃
  ②1985年1月24日 -33.2℃
  ③1985年1月25日 -32.2℃

 【1991年~2000年】
  ①1998年2月7日 -30.5℃

 【2001年~2010年】
  ①2001年1月15日 -30.1℃

 【2011年~2020年】
  なし

 やはり年を追うごとに減ってきていますね。

 ちなみに、2011年~2020年の10年間における最低気温は、2020年2月9日の-29.8℃。

 ちょうど新栄の丘で、凍れる身体に鞭を打ちながら撮影している時でした(笑)
P2090692a@

 美瑛のアメダスが設置されている場所は原野5線。
 標高が250mですので、それ以上標高が高い丘の上では、-30℃を下回っていたことは間違いないと思いますが...


 今回の平年値算出により、地球温暖化問題を再認識した次第であるとともに、今後、将来にわたって冬の最低気温上昇がずっと続いてしまうと、ダイヤモンドダストやサンピラーが出現する頻度が徐々に減ってきてしまいそうなことが、美瑛の写真愛好家としてはとても懸念されます。


 最後に、こちらのアプリでは、「平年値」以外に「直近30年の平均値」として様々な気象情報を掲載していますが、特異日などが分かるように、平年値のように日別平滑する処理は行っておりませんので、生の統計データとなります。


 気象庁より、2020年平年値が発表され次第、アプリにその情報を反映する予定です。


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2016年の美瑛の気象状況を振り返って

 今年最初のブログは、毎年恒例となった昨年の気象状況。

 2016年の美瑛の気象状況について、直近30年の平均値と比較しながら振り返ってみたいと思います。

 グラフは、赤が直近30年の平均値、青が2016年の値となります。

 まずは気温。
平均気温
最高気温
最低気温

 直近30年の年平均気温5.9℃に対して、昨年の年平均気温は6.1℃。

 2015年の
年平均気温は6.8℃だったのと比べると平年に近づいてはいますが、2007年の5.9℃を最後に、9年連続して年平均気温が6℃以上。

 やはり、地球温暖化の影響で徐々に気温が上昇しつつあるのはデータからも明らかです。

 ちなみに、30年前の1986年の
年平均気温は4.3℃でしたので、その時に比べると、ここ数年は2℃程度気温が高くなっているといえます。

 昨年は、2月~5月にかけて比較的気温が高かったですが、農作物の成長期である6月上旬~中旬に低温に見舞われてしまいました。

 しかしその後、6月下旬~8月中旬にかけて気温が高い日が続いたため、収穫時期が多少後ろにズレたものの、小麦は概ね豊作だったようです。

 10月下旬以降の低温については後ほど積雪とともに言及します。

 次に降水量。
降水量

 降水量は、直近30年の平均である989.8mmに対して、昨年の年平均気温は1180.0mm。

 主たる原因は、8月17日から1週間の間に北海道に台風が立て続けに3つも通過したため、8月の降水量が330.5mmと、直近30年の平均である162.0mmに対して2倍強も多かったからです。

 特に、台風11号による8月20日の大雨は、1日で145.0mmと観測史上最大の降水量を記録し、河川の氾濫や断水など、美瑛町にも多大な影響をもたらしました(T_T)

 この影響でしょうか、今年は特に馬鈴薯の収穫時期がとても遅く感じられました。

 次に日照時間。
日照時間

 日照時間は、直近30年の平均である1475.6時間に対して、昨年は1562.4時間。

 昨年は特に、5月と6月下旬~8月中旬にかけて、日照時間に恵まれました。

 最後は積雪。
降雪量
積雪深

 気象情報で今年の2大のトピックは、8月20日の記録的大雨と、10月下旬から11月にかけての低温と季節外れの大雪ではないでしょうか。

 この大雪の影響で、終盤を迎えていたビートや豆類の収穫に多大な影響を与え、結局、収穫を諦めざるを得ない農家さんが数多く出てしまったようです(T_T)

 11月3日から積もり始めた雪は、結局11月18日まで畑を覆い尽くしてしまい、美瑛町ではそのまま根雪になってしまうのを回避できたものの、畑に残されたビートや豆類の収穫タイミングを奪うことになってしまいました。
(旭川では10月下旬からそのまま根雪になってしまいましたので、観測史上最速の
10月29日が根雪初日となってしまいました


 さて最後は今年の気象状況ですが、このところ異常気象が続いていますが、2017年は美瑛らしい四季の移り変わりの明確さはそのままにして、是非とも穏やかな気象状況で、豊作になることを願ってます。



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2015年の美瑛の気象状況を振り返って

 今年最初のブログは、昨年(2015年)の美瑛の気象状況について、直近30年の平均値と比較しながら振り返ってみたいと思います。

 グラフは、赤が
直近30年の平均値、青が2015年の値となります。

 まずは気温について。
平均気温
最高気温
最低気温

 2015年の年平均気温は6.8℃。

 これは直近30年の平均値(1986年~2015年)5.8℃、気象庁発表の平年値(1981年~2010年)5.6℃に比べるとかなり高く、観測史上3番目の高温でした。
 
 ちなみに、過去最高は1990年の6.9℃、2番目は2010年の6.8℃です(
2010年と2015年では、2010年の方が0.01℃高温でした)。

 昨年は、特に1月~3月の気温が高く、まさしく暖冬でした。

 また、4月中旬~5月上旬の気温(特に最高気温)が高かったため、エゾヤマザクラがゴールデンウィーク期間中に開花し散ってしまうという早さでした。

 この時期の暖かさが、雪融けの大地を乾かし、秋蒔き小麦の成長を促進し、播種の時期を早め、豊作に繋がったのかもしれませんね。

 一方、6月下旬~7月上旬は低温の時期が続きましたが、逆にこの低温が幸いして、小麦がゆっくり成長しながら実がしっかりとしてきて、7月中旬以降の高温で、質・量ともに、近年稀に見る豊作となったと言われています。

 また、ここ数年続いていた9月の残暑は、去年は影をひそめ、平均値を若干下回る気温で秋が推移していきましたので、紅葉も早めに訪れた感じでした。

 次は日照時間。
日照時間

 2015年の日照時間合計は、1,592時間。

 これは直近30年の平均値(1986年~2015年)の1,473時間を上回りますが、2014年の1,785時間には遠く及ばない日照時間となりました。

 時期別に見ると、3月下旬~4月上旬の日照時間の長さが雪融けを早め、4月下旬~5月上旬の
日照時間の長さが、大地を乾かし、秋蒔き小麦の成長を促進し、播種の時期を早め、5月下旬や7月上旬~中旬の日照時間の長さが作物を成長させることで、豊作に繋がったのではないでしょうか。

 次に降水量について。
降水量

 2015年の降水量合計は、927mm。

 これは直近30年の平均値(1986年~2015年)の977mmを下回るとともに、昨年の953mmも下回り、2年連続して平均値を下回りました。

 時期別に見ると、7月下旬~8月中旬の小麦や馬鈴薯などの収穫期に降水量が多かったため、収穫作業にかなり影響が出たようです。

 最後に降雪量・積雪深について。
降雪量
積雪深

 2015年の降雪量合計は、611cm。

 これは直近30年の平均値(1986年~2015年)の751cmをかなり下回る少なさでした。

 特に1月~3月は暖冬も相まって積雪も少なく、根雪最終日は3月29日と、
直近30年の平均値(1986年~2015年)である4月8日よりも10日早い雪融けとなりました。

 また、今冬の根雪初日は11月21日で、
直近30年の平均値(1986年~2015年)である11月26日よりも5日早い根雪となりました。

 
今冬はエルニーニョ現象による暖冬と言われ、12月の気温は平年より高めでしたが、積雪深は平年より若干多めで推移し、年が明けて先週あたりから、かなり冷え込むようになってきました。

 今朝は氷点下20℃近くまで冷え込み、ダイヤモンドダストが見れたようですが、果たして今年の美瑛の気象はどうなるのでしょうか?


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2014年の美瑛の気象状況を振り返って

 今年最初のブログは、昨年(2014年)の美瑛の気象状況について、直近30年の平均値と比較しながら振り返ってみたいと思います。

 まずは気温について。

平均気温
最高気温
最低気温

 2014年の年平均気温は6.1℃。

 これは直近30年の平均値(1985年~2014年)5.8℃、気象庁発表の平年値(1981年~2010年)5.6℃に比べると高くなっていますが、最も顕著だったのが6月上旬の記録的な高温。

 2014年と直近30年の平均値の6月上旬(6/1~6/10)の気温を比較すると、下表のようになります。

平均気温 最高気温 最低気温
2014年 19.4 28.1 11.4
平均値 14.5 20.9 8.4

 平均気温で約5℃、最高気温では何と7℃以上も高かったんですね!
 特に、6月4日には36.0℃という最高気温レコード(従来は1984年8月16日の34.9℃)を記録するというような異常気象でした。

 この影響により、年平均気温が例年よりも高かったと思われます。

 次は日照時間。

日照時間

 昨年の気象状況の中で、最も顕著な特徴は日照時間の長さで、過去5年間や直近30年の平均値と比較すると、以下のようになります。

日照時間 日照率
2010年 1,467.6 31.9%
2011年 1,532.7 33.6%
2012年 1,566.0 33.6%
2013年 1,466.8 32.0%
2014年 1,784.6 38.7%
平均値 1,468.7 32.1%

 昨年の日照時間は、直近30年の平均値よりも300時間以上も長く、直近5年の中でもダントツでした。

 また、日照時間が長かった時期も、雪解けから大地の乾きを促進する4月下旬、農作物の成長に影響が大きい5月下旬~6月上旬・6月下旬~7月下旬となっており、これが昨年の豊作に繋がったのかもしれませんね。
 
 次に降水量について。

降水量

 昨年の降水量は、年間トータルで953.0mm。

 これは、直近30年の平均値である974.9mmより若干少ない程度でした。

 上半期は、日照時間が長く晴天の日が多かったため、比較的降水量は少なく、秋蒔き小麦の倒伏はほとんどない状態で、例年よりも早めに収穫を迎えることができたようですが、7月末~8月にかけて何度か大雨に見舞われたため、春蒔き小麦の収穫作業には影響が出たようです。

 最後に降雪量・積雪深について。

降雪量
積雪深

 昨年の降雪量は、グラフを見ても分かる通り、直近30年の平均値より少なめでしたが、一昨年末の大雪の影響で、積雪深は例年よりも高い状態が続きました。

 また4月上旬に大雪があったため、根雪終日は4月18日と、直近30年の平均値である4月9日よりも9日遅い雪解けとなりました。

 しかし、その後は、4月下旬の連日の好天による日照時間の長さにより、ビートの移植作業は例年よりも早く開始できたようです。

 そして今冬の初雪は10月28日。

 11月上旬と中旬に、かなりの降雪がありましたが、結局、根雪初日となったのは12月7日。これは直近30年の平均値である11月26日よりも、11日遅い根雪となりました。

 そして12月31日時点での積雪深は38.0cm。

 これは、直近30年の平均値である41.5cmより若干少なめの積雪深での年越しとなりましたが、はたして今年はどのような気象となるのでしょうか?

 昨年と同様に、是非とも日照時間に恵まれ、実りの秋が迎えられますように!


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2014年上半期の美瑛の気象状況を振り返って

 今年になって早くも半年が過ぎてしまいましたね。
 歳を取ると月日の経過がホント早く感じられてしまいます。

 こちらは梅雨の真っただ中でハッキリしない天気が続いていますが、美瑛・富良野周辺では、ジャガイモの花が真っ盛りで、早咲きラベンダーは見頃を迎え始めたようですね。

 ということで、今回は2014年上半期(1月~6月)の美瑛の気象状況を振り返ってみたいと思います。

 まずは気温から。

平均気温
最高気温
最低気温

 今年の冬は、1月中旬と2月上旬こそ冷え込んだものの、ほぼ平年並みの気温で推移しましたが、4月に入ってから気温の低い日が続き、後述の積雪深の深さもあって、根雪終日が4月18日と、史上4番目の遅さとなってしまいました(1位が1987年の4月20日、2位が1999年と2012年の4月19日)。
 ところがその後、4月24日を境に平年を大きく上回る暖かい日が続いたため、ゴールデンウィーク期間中に桜が開花するという早さでした。
 その後、5月中旬には平年並みの気温に戻りましたが、5月下旬からは晴れる日が多く気温が上昇し、6月2日~5日は、4日連続で真夏日を記録するという異常気象が発生し、特に6月4日は最高気温が36.0℃と、1984年8月16日に記録した34.9℃という従来の最高気温レコードを大きく上回る猛暑を、何と6月上旬という初夏の時期に記録してしまいました。

 次は、今年の冬の降雪・積雪について。 

降雪量
積雪深

 降雪量についてはほぼ平年並みでしたが、4月上旬にかなりの降雪があった点、昨年12月末のドカ雪により、常時積雪深が平年を上回っていた点、それから前述の4月中旬の低温により、根雪終了が4月18日と過去の平均である4月9日より9日も遅くなってしまいました。

 最後に降水量と日照時間について。

降水量
日照時間

 グラフを見て一目瞭然ですが、4月以降、一定期間で雨季と乾季を繰り返すという、少し変わった気象状況になってしまいました。

 4月上旬~中旬 雨季
 4月下旬~5月上旬  乾季
 5月中旬 雨季
 5月下旬~6月上旬 乾季
 6月中旬 雨季

 とはいえ、今年の上半期の日照時間は 938.4時間と、過去の平均値である789.2時間を大きく上回っているため、農作物の成長には好影響が出ているようですね。

 この先の気象予報についてですが、以前の長期予報ではエルニーニョ現象の影響で冷夏が心配されたこの夏ですが、最近の予報によると、その心配はどうやら解消され、平年並みもしくは高めの予報のようです。

 北海道地方 1か月予報

 いずれにせよ、今年は去年の分も取り返しても余りあるような豊作を願いたいですね!


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東京で20年ぶりの大雪?

 本日は東京で20年ぶりの大雪予報が出ておりますね。

 10時現在における東京の積雪深は3cmですが、午後から本格的に降り出し、夕方から夜にかけて暴風雪になるとの予報が出ております。

 そこで20年ぶりとはどの程度の大雪なのかを知りたくて、直近50年間における東京の大雪を調べてみると、以下のとおりでした。
(積雪深が20cm以上の日をピックアップ。但し20cm以上の日が連続した場合は、その間に最深積雪を記録した日のみ記載)
  • 1967年2月12日 21cm
  • 1968年2月16日 23cm 
  • 1969年3月12日 30cm
  • 1978年1月3日 21cm
  • 1984年1月10日 22cm
  • 1984年2月18日 20cm
  • 1994年2月12日 23cm
 トップは1969年3月12日の30cm。幼少期の記憶としておぼろげに覚えているのは、その時は自分の腰くらいまで雪が積もり、庭に積もった雪で滑り台作って遊んだことが想い出されます。

 直近では、ちょうど20年前の1994年2月12日の23cmという記録がありますが、私自身の記憶に全く残っていないので、YouTubeで調べて見たところ、以下のニュースがありました。



 記憶の新しいところでは、昨年の1月14日(成人の日)に大雪があり、交通機関等にかなりの影響がありましたが、その時の東京の積雪深はわずか8cmでした。 

 果たして今回はどの程度の大雪になってしまうのでしょうか?

 この調子で降り続けは、交通機関等に大きな影響が出るのは確実と思われますが、大きな事故が発生したり、交通マヒの影響で物流システムが機能しなくなり、コンビニやスーパーから食料品がなくなるなんて事態にならないことを願いたいです。


 

東京が氷点下に冷え込むとニュースになりますが・・・

 最近、東京が氷点下に冷え込むとニュースになりますが、このニュースにはいつも少し違和感を覚えます。
 というのは、めったに氷点下に冷え込むことがないのは、あくまで東京都心部だけで、都心部のまわりの東京近郊は、そこそこ冷え込むからです。

 他県民から見ると、東京近郊の神奈川や千葉、埼玉などは、東京とほぼ同じ気温ではないかと思われがちですが、長年、東京近郊に住んできた私の感覚からすると、最近かなりの気温差を感じるようになってきました。
 
 そのことを気象データから明らかにするため、当ブログにて都心部と、実際に私が住んだことのある東京郊外の都市で比較・検証してみることにしました。

 比較対象の1つ目は、私の出身地である神奈川県相模原市、としたいところでしたが、相模原にはアメダスがないため、隣接する八王子市を比較対象に挙げました。
 2つ目は、現在住んでいる船橋市。
 そして北国との比較という意味で、北海道より、冬の道内で恐らく一番冷え込まないと思われる奥尻島を3つ目比較対象に挙げてみました。

 本年1月の最低気温のデータは以下のとおりです(数値は℃)。

日付 東京 八王子 船橋 奥尻
1/1 3.1 -2.0 1.0 -0.5
1/2 3.1 -1.9 0.6 -1.4
1/3 3.8 -2.2 0.4 -1.0
1/4 2.4 -1.0 -0.4 -4.3
1/5 3.9 -2.1 1.2 -4.7
1/6 2.1 -3.2 -0.7 -3.5
1/7 1.9 -5.0 -2.6 0.1
1/8 2.8 -2.0 -0.5 -1.1
1/9 3.0 2.1 2.5 -6.6
1/10 1.4 -2.4 -1.5 -6.6
1/11 0.7 -4.4 -3.1 -5.4
1/12 1.4 -3.6 -1.5 -6.2
1/13 2.4 -3.2 -0.4 -6.6
1/14 1.7 -5.1 0.4 -5.9
1/15 1.8 -3.1 -0.3 -4.1
1/16 -0.2 -5.5 -3.5 -4.1
1/17 2.9 -2.6 -0.5 -4.3
1/18 2.8 -0.7 -1.2 -3.4
1/19 2.0 -3.2 -0.1 -2.8
1/20 0.7 -4.4 -2.4 -3.3
1/21 1.8 -2.4 -0.3 -2.2
1/22 2.1 -1.1 0.0 -4.1
1/23 2.8 -4.1 -1.1 -4.3
1/24 2.4 -1.3 1.1 -2.0
1/25 3.0 -1.6 -0.2 1.8
1/26 2.4 1.1 1.6 -4.3
1/27 1.4 -4.2 -1.0 -4.7
1/28 1.1 -3.8 -0.7 -5.5
1/29 4.9 -2.4 3.7 -6.4
1/30 5.1 -1.0 3.2 1.5
1/31 6.2 0.5 4.0 -5.4
平均 2.5 -2.4 -0.1 -3.6

 東京が氷点下まで冷え込んだのはわずか1日なので、氷点下がニュースになってしまうのは仕方ないことかもしれませんが、八王子では奥尻と同じ28日、船橋でも19日、氷点下に冷え込んでいたのです。
 1月の平均最低気温でも、八王子は東京に比べ4.9℃も低く、船橋でも2.6℃低いことが分かります。
 八王子と奥尻を比較すると、平均最低気温では奥尻の方が1.2℃低いですが、氷点下に冷え込んだ日数は28日と全く同じであり、奥尻より八王子の方が最低気温が低かった日が11日もあります。

 今年1月のデータ以外に、1月の最低気温の平年値(1981年~2010年の30年間の平均)を南房総の館山と比較してみると、東京の2.5℃に対し、館山は1.0℃と、何と南国館山よりもずっと高いのです。

 以上のように、東京の冬の最低気温は決して南関東を代表する気温ではなく、あくまで東京都心部の限定された気温で、郊外ではおおよそ2~5℃くらい平均して低いということが言えると思います。

 30年前の1984年1月の東京は氷点下が13日あったのに対し、2014年1月の東京は氷点下がわずか1日と、ここまで冷え込まなくなってしまったのは、コンクリートジャングルに加え、ウォータフロント等の開発によるものでしょうか?

 なので、東京の氷点下をニュースにするのではなく、南関東全域が氷点下に冷え込んでいるのに東京だけプラス気温であることをニュースにすべきではないか?と感じてしまう今日この頃です。

 北国から冬の東京に来られる皆さん、関東平野の冬はからっ風や放射冷却による冷え込みが発生しやすいので、東京の気温だけを見て油断したまま郊外に行くと、思わぬ寒さにブルっと震えることになるかもしれませんよ(笑)
 

今、北海道で一番寒い場所は何処?

 今、北海道で一番寒いのは、果たして何処でしょうか?

 昨日、旭川市江丹別では、-30.5℃を記録し、今冬全国一の冷え込みとなりました。
 
 過去の記録として、気象庁が観測した日本の最低気温記録は、1902年1月25日に旭川市で観測された-41.0℃です。
 この記録が公式な日本記録ですが、アメダスの観測値としては、1978年2月17日に旭川市江丹別で記録された-38.1℃が最低気温記録です。

 尚、観測所の委託職員記録として、1931年1月27日に美深町-41.5℃が記録されています(公務員記録ではないため参考記録)。

 また、気象庁の観測所以外での記録としては、1978年2月17日に幌加内町母子里-41.2℃水銀柱の目視記録。デジタル表示では-44.8℃を記録)が観測され、その記念に母子里クリスタルパークが作られました。

 以上のように、最低気温記録の観測地は全て上川地方ですが、かなり古い記録ばかりですので、最近の状況はどうなのでしょうか?
 また最近、陸別町が「日本一寒い町」として売り出し中ですが、これは本当なのでしょうか?

 このようなことを検証すべく、気象庁のホームページより、過去の気象データ検索よりデータを収集し、分析してみることにしました。

 検証方法としては、以下の2つの視点で調べることにしました。
① 冬に平均的に寒い場所は何処か?
② 近年(過去30年程度の中で)最低気温が最も低かった場所は何処か?

 まず①については、気象庁発表の平年値(年・月ごとの値)の1月と2月の最低気温の平均値を観測地点ごとに比較することにしました。
 気象庁発表の平年値とは、30年間の気象データの平均値をもとに算出されており、10年毎に更新されます。現在の平年値は1981年~2010年までの30年間のデータを基に算出されており、次回2021年に更新されるまで同一データが使用されます。

 分析の結果は以下のとおりでした。

1~2月の月ごとの最低気温(℃)
(気象庁発表の平年値より)

No. 観測地点 1月 2月 平均
1 陸別 -20.2 -19.2 -19.75
2 占冠 -18.8 -18.7 -18.75
3 糠内(幕別) -19.1 -17.9 -18.50
4 川湯(弟子屈) -17.9 -18.2 -18.05
5 阿寒湖畔 -17.7 -17.6 -17.65
6 ぬかびら源泉郷 -17.6 -17.5 -17.55
7 江丹別(旭川) -16.8 -17.2 -17.00
8 佐呂間 -16.8 -17.1 -16.95
9 中頓別 -16.3 -17.5 -16.90
大樹 -16.9 -16.9 -16.90
11 歌登(枝幸) -15.9 -17.1 -16.50
12 下川 -16.3 -16.6 -16.45
13 足寄 -17.0 -15.8 -16.40
14 朱鞠内 -16.1 -16.6 -16.35
生田原(遠軽) -16.3 -16.4 -16.35
16 境野(置戸) -16.4 -16.2 -16.30
17 穂別(むかわ) -16.4 -16.0 -16.20
18 帯広泉 -16.5 -15.6 -16.05
19 芽室 -16.3 -15.8 -16.05
20 名寄 -15.8 -16.2 -16.00
21 駒場(音更) -16.1 -15.7 -15.90
22 美深 -15.6 -16.1 -15.85
23 更別 -15.8 -15.5 -15.65
24 滝上 -15.3 -15.8 -15.55
留辺蘂(北見) -15.6 -15.5 -15.55
美幌 -15.5 -15.6 -15.55
27 本別 -16.1 -14.9 -15.50
28 中徹別(釧路) -15.6 -15.4 -15.50
29 標茶 -15.8 -15.1 -15.45
30 幾寅(南富良野) -15.4 -15.4 -15.40
31 美瑛 -15.3 -15.3 -15.30
32 池田 -15.8 -14.7 -15.25
33 音威子府 -14.9 -15.6 -15.25
34 遠軽 -15.1 -15.4 -15.25
35 麓郷(富良野) -15.3 -15.2 -15.25
36 津別 -15.3 -15.2 -15.25
37 幌加内 -15.0 -15.4 -15.20
38 上札内(中札内) -15.2 -15.0 -15.10
39 富良野 -15.1 -14.9 -15.00
士別 -15.0 -15.0 -15.00

番外編

    観測地点         1月         2月         平均    
札幌 -7.0 -6.6 -6.80
旭川 -12.3 -12.7 -12.50
函館 -6.2 -5.9 -6.05
釧路 -10.4 -9.9 -10.15
帯広 -13.7 -12.6 -13.15
小樽 -6.1 -5.8 -5.95
富士山 -21.7 -21.5 -21.60

 陸別町のうたい文句に偽りはなく、文字通り日本一寒い町でした。
 2位の占冠に1℃もの差を付けているので、ダントツと言って良いかもしれません。

 この結果を見ると、陸別を中心に、道東内陸部の寒さが目立ちます。あくまで推測ですが、道北の上川地方と比べて、冬に晴れる日がかなり多く、そのため放射冷却により冷え込む日が多いというのが、主な理由ではないかと考えられます。

 参考までに、気象庁の北海道内観測所(アメダス含む)で、気温の観測が行われている観測地点は約170箇所あり、1~2月の最低気温平均値が-15℃以下のトップ40を、上記にリストアップしました。

 この中で驚いた点の1つに、むかわ町穂別が17位に入っている点です。胆振地方というと道内でも比較的暖かいイメージがありましたが、道東内陸部と同様に、冬に晴れる日が多く、放射冷却が発生しやすい気候なのかもしれませんね。

 番外編として、道内主要都市と富士山を参考までに記載しています。
 旭川は、日本最低気温を記録した頃は、今の江丹別のようにもの凄く寒い日が多かったのでしょうが、都市化の影響で冷えにくくなっているのかもしれませんね。


 次に②についての分析ですが、こちらの方は、気象庁発表の平年値算出期間にちなんで、1981年以降の観測地点毎の最低気温記録を比較することにしました。

 結果は以下のとおりです。

1981年以降の最低気温レコード(℃)

No. 観測地点 気温 観測年月日
1 江丹別(旭川) -37.1 1985/1/24
2 歌登(枝幸) -37.0 1985/1/24
3 和寒 -36.8 1985/1/25
4 幌加内 -36.1 1987/1/21
5 中頓別 -35.9 1985/1/24
6 占冠 -35.8 2001/1/14
朱鞠内 -35.8 1990/1/28
8 名寄 -35.7 1982/2/2
9 中川 -35.6 1985/1/24
10 幌糠(留萌) -35.4 1985/1/25
11 下川 -35.1 1985/1/25
士別 -35.1 1985/1/25
13 音威子府 -34.9 1982/2/5
14 美深 -34.2 1982/2/5
15 沼川(稚内) -34.0 1985/1/24
16 富良野 -33.6 1985/1/25
17 川湯(弟子屈) -33.4 1985/1/31
幾寅(南富良野) -33.4 1982/2/6
19 滝上 -33.3 1982/2/2
20 陸別 -33.2 2000/1/27
美瑛 -33.2 1985/1/24
22 駒場(音更) -32.1 2000/1/27
23 喜茂別 -31.9 1991/2/20
麓郷(富良野) -31.9 1985/1/25
25 糠内(幕別) -31.8 2000/1/27
26 上富良野 -31.5 1985/1/25
27 比布 -31.4 1985/1/25
28 別海 -31.3 1985/1/25
29 生田原(遠軽) -31.0 1985/1/24
30 西興部 -30.8 1985/1/25
31 天塩 -30.6 1985/1/24
32 阿寒湖畔 -30.5 1984/2/7
芽室 -30.5 1982/2/2
34 ぬかびら源泉郷 -30.3 2000/1/27
35 美幌 -30.2 1985/1/25
空知吉野(新十津川) -30.2 1985/1/25
37 北見 -30.1 1985/1/25
38 志比内(東神楽) -30.0 2003/1/15
39 常呂(北見) -29.9 1982/2/2
40 穂別(むかわ) -29.8 2010/2/4

番外編

    観測地点         気温       観測年月日  
札幌 -16.8 1985/1/25
旭川 -27.8 1985/1/25
函館 -15.5 1996/2/2
釧路 -24.2 1985/1/31
帯広 -26.9 1982/2/2
小樽 -15.2 1985/1/25
富士山 -38.0 1981/2/27

 トップの江丹別をはじめとし、上川地方とその周辺(宗谷・留萌地方の内陸部)がトップ16まで占めており、ここ一番の寒さはやはり上川地方周辺というのは、過去の日本最低気温記録が示す通り、昔から変わっていないようですね。

 道北の上川地方とその周辺地域は、冬は雪が多く晴れる日が少ないため、平均気温で見ると、陸別を中心とした道東内陸部より高くなりますが、晴れて放射冷却が発生した日は、盆地気候も影響してか、強烈な寒さを示すのではないかと考えられます。

 以上の結果をまとめると、陸別を中心とした道東内陸部は寒さのアベレージヒッター、上川地方とその周辺地域は寒さのホームランバッターと例えられるのではないでしょうか(笑)

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昨年の美瑛の気象状況を振り返って

 今回のブログは、昨年(2013年)の美瑛の気象状況について、直近30年の平均値と比較しながら振り返ってみたいと思います。

 まずは、気温について。
平均気温

 昨年の冬は、2月上旬を除き、例年より寒い日が続きました。
 3月上旬には平年並みの気温に戻りましたが、4月中旬~5月中旬にかけてかなり寒い日が続いたため、桜の開花は例年よりもかなり遅い5月20日頃になってしまい、農作物の作付にもかなり影響が出たようです。
 5月下旬以降、夏にかけては例年を上回る気温が続き、昨年も暑い夏となりました。
 

 次に、降水量について。
降水量

 降水量は、例年と比べ、かなりバラツキがありましたが、特に6月上旬や7月中旬~下旬にかけては、殆んど雨が降らず、大干ばつと言って良いほど乾燥した状態が続きました。
 一方、8月中旬以降、9月にかけては、例年よりも雨が多い状態が続きました。


 次に、日照時間について。
日照時間

 3月から5月中旬にかけて、例年よりも日照時間が少ない状態が長期間続いたため、これが桜の開花や農作物の作付などに影響を及ぼしたと考えられます。
 一方、6月上旬には晴れの日が続き、特に6月7日~13日までは、日照率80%以上の日が7日間連続するという連続ピーカン記録を達成しました。
 また7月も晴れの日が続き、1990年以降では7月として最大の日照時間を記録しました。
 その後、8月中旬から9月にかけては、例年より雨が多く日照時間が少ない状態が続き、農作物の収穫などに影響を及ぼしたと考えられます。


 最後に、積雪深について。
積雪深

 昨年の冬は、例年より寒かったことが影響してか、2月までは降雪量は例年より少なめでしたが、積雪深は多い状態が続いていました。そのような状況の中、3月10日のドカ雪により、一気に1m超まで積雪深が増えてしまいました。
 その後、3月以降の日照時間の少なさも影響し、昨年の根雪終日は4月15日で、過去の平均である4月9日を6日ほど遅れました。
 今冬は、根雪初日が11月27日で、過去の平均である11月26日とほぼ同時期に始まりました。
 以降、12月上旬までは例年以下の積雪深でしたが、12月13日のドカ雪以降、例年より多い状態が続いており、年末にもドカ雪があったため、美瑛で積雪の観測が開始された1983年以降、最大の積雪深で年を越すことになりました。


 年が明け、今朝の美瑛は-20.3℃まで冷え込みましたが、今年は、昨年のように春先に低温が続いたり、夏に大干ばつが来たり、秋の収穫期に雨が多かったりと、極端な天候にならないよう願いたいですね。


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今年の美瑛は24年ぶりの大干ばつ?

 異常気象続きの今年の美瑛、今回のブログでは干ばつについて取り上げてみたいと思います。

 先日のブログ「美瑛の連続ピーカン記録更新!」で紹介させて頂いた通り、6月以降、例年に比べ特に晴れる日が多く、7月に入ってからは11日~24日までの2週間、降水量0mmの日が続き、干ばつとも言える状態が続いていました。

 8月に入り、やっと最近雨が降り出しましたが、まだ十分に丘が潤ったとは言えない状態ではないかと思います。

 それではこのような気象状況は例年と比べてどうなのでしょうか?
 気象庁発表の気象データより、農作物の生育にとって重要な5~7月の降水量と日照時間から分析してみたいと思います。

 (降水量については、まとめて一気に降るか、定期的に少しずつ降るかにより大きく影響が変わってくると思いますが、細かな分析ができる頭を持ち合わせておりませんので、月毎の降水量という大まかな分析で行います。)

 用いる気象データは、日照時間の測定方法が変更になった1987年以降の27年分のデータを利用します。

 まずは降水量(mm)より。 
 5月   6月   7月  合計 
 2013年  67.5 84.5 32.0 184.0
2012年 77.5 54.0 111.0 242.5
2011年 98.5 123.0 203.0 424.5
2010年 57.0 89.5 144.5 291.0
2009年 52.0 59.5 268.5 380.0
2008年 70.0 39.5 75.0 184.5
2007年 51.0 65.0 71.0 187.0
2006年 63.0 75.0 61.0 199.0
2005年 66.0 47.0 114.0 227.0
2004年 117.0 60.0 122.0 299.0
2003年 52.0 51.0 41.0 144.0
2002年 25.0 51.0 138.0 214.0
2001年 38.0 83.0 215.0 336.0
2000年 60.0 71.0 261.0 392.0
1999年 114.0 34.0 191.0 339.0
1998年 105.0 69.0 104.0 278.0
1997年 120.0 41.0 59.0 220.0
1996年 59.0 43.0 108.0 220.0
1995年 90.0 53.0 78.0 221.0
1994年 81.0 78.0 30.0 189.0
1993年 70.0 102.0 28.0 200.0
1992年 64.0 51.0 182.0 297.0
1991年 36.0 50.0 140.0 226.0
1990年 54.0 78.0 47.0 179.0
1989年 63.0 57.0 23.0 143.0
1988年 47.0 103.0 39.0 189.0
1987年 73.0 36.0 168.0 277.0

 表では27年分の降水量を示しておりますが、青字で記載した箇所は、降水量ワースト5を示しています。
 確かに今年の降水量は例年に比べ少ないですが、7月でみると過去4番目の少なさ、5~7月の合計でみても過去4番目の少なさと、過去と比べて断トツに少ない訳ではありません。

 参考までに過去の5~7月の合計の降水量ワースト1は、1989年の143mm、次に2003年の144mmでした。

 次に日照時間を見てみます。 
 5月   6月   7月   合計 
 2013年  139.3 207.4 208.8 555.5
2012年 166.8 209.2 184.2 560.2
2011年 141.5 146.5 160.4 448.8
2010年 202.6 210.0 107.2 519.8
2009年 224.1 119.0 97.9 441.0
2008年 171.4 192.3 165.1 528.8
2007年 132.2 164.1 188.7 485.0
2006年 191.8 94.3 168.0 454.1
2005年 123.9 164.2 84.3 372.4
2004年 138.2 127.6 131.9 397.7
2003年 136.4 139.0 139.1 414.5
2002年 224.8 159.3 99.5 483.6
2001年 209.4 164.2 114.9 488.5
2000年 165.9 164.8 134.2 464.9
1999年 155.8 186.9 129.6 472.3
1998年 219.5 190.5 137.3 547.3
1997年 116.1 121.1 154.9 392.1
1996年 109.2 125.1 66.4 300.7
1995年 132.3 119.2 108.2 359.7
1994年 174.5 177.3 151.5 503.3
1993年 143.4 85.8 188.1 417.3
1992年 153.1 136.3 112.7 402.1
1991年 196.4 164.1 110.5 471.0
1990年 193.8 127.3 178.5 499.6
1989年 166.8 175.1 216.7 558.6
1988年 118.6 151.8 175.2 445.6
1987年 181.1 179.6 100.6 461.3

 同じく27年分の日照時間を示しておりますが、青字で記載した箇所は、日照時間ベスト3を示しています。
 今年の日照時間は、6月が過去3番目、7月が過去2番目、5~7月の合計が過去3番目の長さと、3部門でベスト3に入っています。

 ご存知通り、陽に照らされれば地面の温度は上がり、土壌の乾燥が早まります。よって同じ降水量であっても日照時間が長い方が土壌は乾燥すると考えられます。

 2003年は、5~7月合計の降水量が今年よりも少なかったですが、日照時間は今年の方が圧倒的に長かったので、土壌の乾燥という観点では今年の方がより厳しかったかもしれません。

 よって今年は1989年以来、24年ぶりの大干ばつと言えるのかもしれませんね。

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美瑛の連続ピーカン記録更新!

 今年の美瑛は異常気象続きですね。

 3月中旬~4月上旬の大雪に始まり、5月中旬までの異常低温、その影響で桜の開花が5月下旬にずれ込んだと思ったら、あっという間に春を通り越し夏空に。
 5月下旬から好天に恵まれ、丘の農作物の発育は例年並みにキャッチアップしたようですが、今度は連側してピーカンの日々が続き、カラッカラに乾いた大地となってしまったようです。

 今年は全国的にカラ梅雨と猛暑で水不足のなどの影響が出始めているようですが、特に上川等の北海道中央部ではピーカンの日が連続して続いているようです。

 美瑛ファンが高じて、直線距離で約900km離れた地からも日々美瑛の天候をチェックしている私自身も、これだけピーカンの日が続いた記憶はありませんでしたので、早速過去の気象データを調べてみることにしました。

 美瑛は無人のアメダス観測なので、旭川や札幌などのように気象庁職員の有人観測により、「快晴」などの天候が発表されることはありません。よって、ピーカン日の定義は「日照率が80%以上の日」と勝手に定義させて頂くことにしました。

 日照率とは、以前のブログでも紹介致しましたが、「日照時間÷可照時間」で表されます。可照時間とは日の出~日の入りまでの時間を言いますが、これはあくまでも360度平らな地形を前提とした時間なので、東西が山で囲まれている美瑛では、実際の日の出は遅く、日の入りは早くなるため、日照率が100%になることはあり得ません。ピーカンMAX日でも95~96%と言ったところでしょう。

 それでは日照率80%以上の日はどの程度の確率で出現するかというと、1986年9月18日の日照時間測定開始以降、昨年までの平均値は26.5日/年、つまり約2週間に1日程度の確率でしか出現しません。

 そのように貴重な日照率80%以上のピーカン日が、昨日まで何と7日連続で続いてしまったのです。これは過去2回あった5日連続を凌ぐ、観測史上初の記録です。参考までに過去の連続ピーカン記録を紹介します。

【7日連続】
2013年6月7日~6月13日
【5日連続】
1989年7月26日~7月30日
2012年6月26日~6月30日
【4日連続】
1993年8月7日~8月10日
1995年3月3日~3月6日
1995年9月20日~9月23日
1996年3月7日~3月10日
1998年4月6日~4月9日
1999年8月8日~8月11日
2008年4月19日~4月22日

 昨日までの1週間の間に美瑛に行かれた方は、四半世紀に一度しか訪れないようなピーカン期間に丘に立つことができた超幸せ者です。

 本日の美瑛は曇で連続ピーカン記録は途切れましたが、雨の天気予報を覆し、19時現在のアメダス降水量はわずか0.5mm。
 今夜から明日午前中かけて、再び雨予報が出ていますので、乾き切った丘に恵みの潤いをもたらして欲しいですね。

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今年の美瑛の冬を振り返って

 今冬の美瑛では、4月16日(火)に最深積雪が0cmを記録しましたので、気象統計的に言うと、今冬の根雪終日は4月15日となりました。これは統計開始以降の根雪終日平均である4月8日よりも1週間遅かったことになります(過去最も根雪終日が遅かったのは、1987年の4月20日。昨年の根雪終日は、歴代2位タイの4月19日。ちなみに今年の4月15日は歴代7位タイの遅さでした。)。

 また、今冬の最深積雪は、3月11日~12日に記録した104cmでしたが、これは1999年の125cm、1987年の119cm、1994年の106cmにつぐ、歴代4位の記録でした。

 それでは、今冬の美瑛は本当に雪が降った量(降雪量)が多かったのでしょうか?
 
降雪量(cm)
今年 昨年 平均値(※)
11月 101 91 84
12月 188 189 184
1月 112 108 175
2月 110 120 147
3月 187 100 138
4月 64(注) 56 31
合計 762 664 759
(※)1983年10月11日の降雪・積雪量観測開始以降の平均値
(注)今年の4月の降雪量は、4月16日までの合計値となります。 
 
 このデータを見る限り、降雪量の合計は過去の平均値と殆んど変りありません。 また、根雪終日が歴代2位の遅さだった昨年は、平均値をかなり下回った降雪量でした。
 
 それでは次に気温を見て行きましょう。

平均気温(℃)   
今年 昨年 平均値(※)
11月 1.9 2.1 1.3
12月 -7.2 -6.9 -5.8
1月 -10.6 -10.6 -9.1
2月 -8.8 -9.6 -8.2
3月 -3.2 -4.3 -3.5
(※)直近30年の平均値

 今年、去年とも、過去の平均値よりかなり寒かったことが分かります。

最低気温(℃)   
今年 昨年 平均値(※)
11月 -1.9 -2.8 -2.8
12月 -12.8 -12.2 -10.6
1月 -16.6 -17.5 -14.8
2月 -15.0 -16.1 -14.6
3月 -9.6 -10.8 -9.3
(※)直近30年の平均値

 最低気温も同様に、今年、去年とも、過去の平均値よりかなり寒かったことが分かります。

 それでは、最後に日照時間を見てみましょう。

日照時間    
今年 昨年 平均値(※)
11月 50.2 79.7 64.4
12月 55.2 60.9 51.9
1月 88.5 75.2 71.1
2月 94.4 68.1 100.9
3月 93.8 144.1 139.4
合計 382.1 428.0 427.7
(※)日照時間算出方法のに変更があった1987年以降の平均値

 今年は、特に3月の日照時間が短かったことが分かります。

 以上の気象データより、今冬の降雪量が例年通りだったにもかかわらず、積雪量が多く根雪終日が遅かった理由としては、
  • 例年に比べ、12月~2月がかなり寒かった。
  • 3月~4月の降雪量が多かった。
  • 3月の日照時間が少なかった。
というような点が考えられると思います。

 以上のように、積雪の深さや根雪期間は、単に降雪量の多さだけでなく、気温や日照時間、雪の降るタイミングなど、様々な気象条件が影響しているようです。

 明日の美瑛に雪マークがついていますので、まだ多少が降るかもしれませんが、美瑛の春すぐ目の前に来ていますね。

イルミネーション


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東京の晴れの特異日は?

 昨日のブログでお知らせしたとおり、今回は東京における晴れの特異日について分析してみたいと思います。

 まずは、昨日もご紹介したWikipediaの「特異日」の中で挙げられている「日本(主に東京)の特異日の例」の中で、「晴れの特異日」として記載されている以下の日の検証をしてみたいと思います。
  • 1月16日
  • 3月14日
  • 6月1日
  • 11月3日 
 利用する気象データは、昨日と同様に1961年~2012年の52年分を利用して、日毎に日照率晴れ日数を算出し、検証に当たっては、前後4日間、つまりその日を中心に9日分のデータを分析した上で、特異日にあたるかどうかの判断を行いたいと思います。

 尚、日照率や晴れ日数の定義につきましては、以下の過去のブログに記載しております。

 まずは1月16日。 
日付 日照率 晴れ日数
(52年間) 
晴れ日率
1月12日 53.6% 33日 63.5%
1月13日 57.4% 37日 71.2%
1月14日 67.8% 42日 80.8%
1月15日 60.1% 39日 75.0%
1月16日 58.0% 37 71.2%
1月17日 64.6% 39日 75.0%
1月18日 55.8% 36日 69.2%
1月19日 58.9% 39日 75.0%
1月20日 63.5% 41日 78.8%

 結果は歴然で、1月16日が晴れの特異日とはとても言えません。この表からは、逆に1月14日が晴れの特異日と言えるかもしれませんね。

 次は3月14日
日付 日照率 晴れ日数
(52年間) 
晴れ日率
3月10日 46.3% 29日 55.8%
3月11日 54.3% 37日 71.2%
3月12日 43.6% 26日 50.0%
3月13日 50.8% 31日 59.6%
3月14日 52.6% 37 71.2%
3月15日 45.3% 31日 59.6%
3月16日 46.3% 30日 57.7%
3月17日 43.6% 30日 57.7%
3月18日 57.8% 38日 73.1%

 これも結果は歴然ですね。確かに日照率、晴れ日数とも高水準ではありますが、3月18日の方が晴れの特異日と言えるかもしれません。

 つぎは
6月1日
日付 日照率 晴れ日数
(52年間) 
晴れ日率
5月28日 49.6% 31日 59.6%
5月29日 35.8% 23日 44.2%
5月30日 36.0% 28日 53.8%
5月31日 37.4% 23日 44.2%
6月1日 47.1% 31 59.6%
6月2日 43.3% 30日 57.7%
6月3日 33.3% 22日 42.3%
6月4日 39.0% 27日 51.9%
6月5日 38.4% 24日 46.2%

 確かに晴れ日数はトップタイですが、日照率で5月28日に劣っていますので、晴れの特異日とは言い難いですね。ただ、6月と言えば梅雨入りの時期なので、梅雨入り直前の「6月の晴れの特異日」って言い方はできるかもしれません。

 最後に 11月3日
日付 日照率 晴れ日数
(52年間) 
晴れ日率
10月30日 41.3% 27日 51.9%
10月31日 52.6% 32日 61.5%
11月1日 50.3% 31日 59.6%
11月2日 50.4% 33日 63.5%
11月3日 50.8% 32 61.5%
11月4日 52.3% 31日 59.6%
11月5日 44.2% 26日 50.0%
11月6日 36.6% 23日 44.2%
11月7日 40.8% 25日 48.1%

 この期間は、10月31日~11月4日までの間、ほぼ一定の日照率、晴れ日数が続いていますので、11月3日だけを特異日とする理由はなさそうです。

 以上のとおり、Wikipediaの「特異日」の中で挙げられている「日本(主に東京)の特異日の例」の信憑性は、かなり低いことが分かりました。

 それでは本当の「東京における晴れの特異日」はいつなのでしょうか?

 分析方法としては、気象庁が日毎の平年値を求める手法として用いている、9日移動平均を3回繰り返す平滑移動平均を参考にし、以下の方法で行いました。

① 日毎の日照率の9日移動平均を3回繰り返し、日毎の平滑移動平均を求める。
② 日毎の日照率と平滑移動平均の乖離率を算出する。
③ 日毎の晴れ日数の9日移動平均を3回繰り返し、日毎の平滑移動平均を求める。
④ 日毎の晴れ日数と平滑移動平均の乖離率を算出する。
②④の両方で平滑移動平均乖離率上位ベスト5に入った日を「晴れの特異日」とする。

分析結果は以下のとおりでした。
 
日照率の平滑移動平均との乖離率ベスト5 
3月18日 10.6%
① 11月25日 10.6%
5月21日 10.5%
④ 4月6日 9.9%
⑤ 9月10日 8.8%

晴れ日数の平滑移動平均との乖離率ベスト5 
 5月21日 19.1%
② 4月5日 14.1%
 3月18日 13.5%
④ 8月29日 12.9%
④ 11月8日 12.9%

ということで、3月18日5月21日東京の晴れの特異日という結果になりました。
参考までに、その分析結果を以下に記載します。
日付 日照率 晴れ日率
日照率 平滑
移動平均
乖離率 晴れ日率 平滑
移動平均
乖離率
3月14日 48.6% 48.6% 4.0% 71.2% 61.1% 10.1%
3月15日 45.3% 48.3% -3.0% 59.6% 60.8% -1.2%
3月16日 46.3% 47.9% -1.6% 57.7% 60.4% -2.7%
3月17日 43.6% 47.6% -4.0% 57.7% 60.0% -2.3%
3月18日 57.8% 47.2% 10.6% 73.1% 59.5% 13.5%
3月19日 48.7% 46.7% 1.9% 61.5% 59.0% 2.5%
3月20日 44.0% 46.4% -2.4% 57.7% 58.5% -0.8%
3月21日 45.3% 46.0% -0.7% 53.8% 58.0% -4.2%
3月22日 43.4% 45.7% -2.3% 53.8% 57.6% -3.8%

日付 日照率 晴れ日率
日照率 平滑
移動平均
乖離率 晴れ日率 平滑
移動平均
乖離率
5月17日 39.6% 41.9% -2.3% 48.1% 52.7% -4.6%
5月18日 46.2% 42.1% 4.1% 51.9% 53.0% -1.1%
5月19日 38.7% 42.2% -3.6% 48.1% 53.4% -5.3%
5月20日 39.6% 42.4% -2.8% 50.0% 53.7% -3.7%
5月21日 53.1% 42.6% 10.5% 73.1% 53.9% 19.1%
5月22日 41.8% 42.7% -0.9% 55.8% 54.1% 1.6%
5月23日 42.2% 42.8% -0.6% 55.8% 54.2% 1.5%
5月24日 39.6% 42.8% -3.2% 46.2% 54.2% -8.1%
5月25日 46.5% 42.7% 3.8% 65.4% 54.0% 11.3%

 この3月18日5月21日は、まぎれもなく東京における晴れの特異日であると考えられますが、特異日であっても、日照率は1月の平均である60%強には遠く及びません。あくまで、その時期に相対的に晴れる確率が高い日という意味です。

 最後に絶対的に晴れる確率の高い日として、日照率の高い日のベスト10晴れ日数の高い日ベスト9を以下に記載します。
日付 日照率 日照時間 可照時間
1月14日 67.8% 6.8 10.0
2月4日 67.3% 7.1 10.5
1月25日 65.8% 6.7 10.2
1月9日 65.7% 6.5 9.9
1月5日 65.0% 6.4 9.8
1月28日 64.9% 6.7 10.3
1月17日 64.6% 6.5 10.0
12月16日 64.5% 6.3 9.8
12月13日 64.2% 6.3 9.8
1月27日 64.2% 6.6 10.3

日付 晴れ日数
(52年間)
晴れ日率
1月5日 43日 82.7%
1月6日 42日 80.8%
1月14日 42日 80.8%
1月10日 41日 78.8%
1月20日 41日 78.8%
1月22日 41日 78.8%
1月25日 41日 78.8%
2月13日 41日 78.8%
12月24日 41日 78.8%


【まとめ】
  • 東京で日照率が高い時期は、圧倒的に11月下旬~2月下旬の冬の時期である。
  • その期間を除くと、東京の晴れの特異日3月18日5月21日であると考えられる。
  • そのほか、4月5日、4月6日、8月29日、9月10日、11月8日、11月25日も、相対的に晴れる確率の高い日である。

T02



東京の日照率が高い時期は?

 今回は、昨年の美瑛の気象分析に引き続き、東京で日照率が高い時期について分析してみました。

 統計期間は、1961年~2012年までの52年間で、分析方法は昨年のブログ美瑛の日照率が高い時期は?」と同様に、日照時間と可照時間から日照率を求めました。

 結果は以下の通りです。

月   旬 日照時間 可照時間 日照率
1月 上旬 6.1 9.8 62.4%
中旬 6.0 10.0 60.0%
下旬 6.2 10.3 60.3%
2月 上旬 6.2 10.6 58.9%
中旬 5.8 10.9 53.3%
下旬 5.7 11.2 50.7%
3月 上旬 5.6 11.6 48.2%
中旬 5.8 12.0 48.7%
下旬 5.4 12.4 44.0%
4月 上旬 5.9 12.8 46.5%
中旬 5.6 13.1 42.3%
下旬 6.0 13.5 44.3%
5月 上旬 6.0 13.8 43.3%
中旬 5.7 14.1 40.6%
下旬 6.1 14.3 42.7%
6月 上旬 5.5 14.5 38.0%
中旬 4.1 14.6 28.2%
下旬 3.3 14.6 22.7%
7月 上旬 3.9 14.5 26.7%
中旬 4.4 14.3 30.9%
下旬 6.2 14.1 44.3%
8月 上旬 6.3 13.8 45.3%
中旬 6.1 13.5 45.5%
下旬 5.3 13.1 40.2%
9月 上旬 4.9 12.8 38.3%
中旬 4.2 12.4 33.7%
下旬 3.5 12.0 29.4%
10月 上旬 4.0 11.7 33.9%
中旬 4.4 11.3 39.0%
下旬 4.9 10.9 44.9%
11月 上旬 4.9 10.6 46.5%
中旬 4.8 10.3 46.6%
下旬 5.2 10.0 51.8%
12月 上旬 5.6 9.9 56.4%
中旬 5.8 9.8 58.9%
下旬 5.8 9.8 59.2%
平均 5.3 12.2 43.6%

 見事なまでに季節による傾向が出ていますね。

 日照率が高い時期は11月下旬~2月下旬の冬の時期で、日照率が低い時期は6月中旬~7月旬の梅雨の時期と9月~10月上の秋の長雨の時期と、誰もが想定できるような結果になりました。

 次回は東京における晴れの特異日を分析しようと思っています。
Wikipediaの「特異日」には、本日時点で「日本(主に東京)の特異日の例」として以下の日付が挙がっています。
  • 1月16日 晴れの特異日
  • 3月14日 晴れの特異日
  • 6月1日 晴れの特異日
  • 11月3日 晴れの特異日
果たして、この情報は信憑性の高い情報なのでしょうか?
乞うご期待を!

美瑛で大雪になる確率の高い日は?

 今回は美瑛で大雪になる確率が高い日について分析してみたいと思います。

 前回のブログで、「雪日数」「大雪日数」という話をしましたが、今回はそれを1日単位で見るために、以下の確率を日毎に分析してみました。

【雪日率】
その日に1cm以上の降雪があった確率

【大雪日率】
その日に10cm以上の降雪があった確率

※ 2つとも当ブログで勝手につけた名称であり、一般的な気象用語ではありません。


 まずは 『大雪になる確率が高い日』という観点で、1983年10月11日~昨日までの降雪量に関するデータを収集・分析し、大雪日率が25%以上の日をピックアップしてみました。

月日 雪日率 大雪日率
11月 15日 46.7% 26.7%
30日 75.9% 27.6%
12月 5日 75.0% 25.0%
11日 89.3% 28.6%
12日 100.0% 28.6%
16日 93.1% 37.9%
17日 89.7% 34.5%
18日 96.6% 37.9%
23日 96.6% 27.6%
26日 96.6% 44.8%
30日 100.0% 27.6%
31日 93.1% 34.5%
1月 4日 89.7% 27.6%
10日 93.1% 27.6%
20日 96.6% 27.6%
2月 - - -
3月 11日 86.2% 31.0%

 圧倒的に12月中旬~下旬に大雪日率の高い日が集中していますね。
 統計上、最も大雪になる確率の高い日は12月26日で、過去29年間のうち13回で1日10cm以上の降雪があったことになります。現時点での週間予報では、12月26日は吹雪の予報となっておりますので、やはり注意が必要な日と言えそうですね。

 次に『雪が降る確率が高い日』という観点で、雪日率が100%の日、つまり過去30年に近い統計の中で雪が降らなかったことがない日をピックアップしてみました。

月日 雪日率 大雪日率
12月 12日 100.0% 28.6%
14日 100.0% 20.7%
19日 100.0% 24.1%
22日 100.0% 10.3%
30日 100.0% 27.6%
1月 1日 100.0% 20.7%
13日 100.0% 17.2%
15日 100.0% 17.2%
26日 100.0% 6.9%
2月 5日 100.0% 6.9%
7日 100.0% 17.2%
10日 100.0% 13.8%
12日 100.0% 17.2%
14日 100.0% 6.9%
3月 26日 100.0% 0.0%

 こちらの方は、12月~2月にかけて、ほぼ均等に分布していることがわかりますね。
 以上のことから、前回も申し上げたように、冬期間はほぼ毎日降雪がありますが、大雪となる確率は12月中旬~下旬が最も高いということがわかります。

 最後に、『大雪になる確率が低い日』として、12月~3月の間で大雪日率が10%未満の日をピックアップしてみました。

月日 雪日率 大雪日率
12月 28日 79.3 6.9%
1月 12日 96.6% 6.9%
19日 96.6% 3.4%
26日 100.0% 6.9%
2月 5日 100.0% 6.9%
14日 100.0% 6.9%
21日 93.1% 6.9%
28日 82.8% 6.9%
29日 87.5% 0.0%
3月 5日 93.1% 3.4%
9日 86.2% 6.9%
14日 89.7% 6.9%
20日 82.8% 6.9%
21日 86.2% 3.4%
23日 86.2% 3.4%
24日 82.8% 6.9%
26日 100.0% 0.0%
28日 72.4% 0.0%
29日 79.3% 6.9%
30日 86.2% 6.9%

 大雪になる確率の低い日は、やはり12月が一番少なく、月を経過するごとに徐々に増えていく傾向が見事に出ていますね。
 冬の丘に行く時、できれば大雪や吹雪の日に出会いたくないという方は、是非参考にしてみは如何でしょうか?

クリスマスツリーの木3



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美瑛の雪に関する気象データ

 今日の北海道は大雪だったようですね。美瑛の20時現在の積雪は60cm。これは12月18日の過去平均値である30cmの2倍の積雪量です。

 美瑛では先月18日の初降雪・初積雪以降、昨日までの30日間、積雪が継続しましたので、今年は11月18日が根雪初日として確定しました。また、今年は「寒候期が来て初めて降雪量1cm以上を記録した日」と「根雪初日」が同じ日となり、これは1983年の降雪量測定開始以降、過去2007年に一度あったのみなので、今年で2回目となります。

 そこで今回は、美瑛の雪に関する気象データをより詳細に分析してみたいと思います。

 先日の『美瑛の初降雪と根雪』で記載した内容を再度整理すると、1983年10月11日の降雪・積雪量観測開始から昨日までの気象データより、平均降雪期(降雪1cm以上の初日~終日)平均根雪(長期積雪)は以下のようになります。

根雪
(長期積雪)
初日 11月26日 134日間
終日 4月8日
降雪期
(降雪1cm以上)
初日 11月6日 158日間
終日 4月12日

 今回はこの降雪期に、雪がどれだけの量降るか(降雪量)とどれだけ積もるか(積雪量)について調査・分析してみました。また、雪が降る頻度を見るために雪日数についても分析してみました。

 以下がその月別平均値です(但し、積雪量は各月最大値の平均となります)。

降雪量
(cm)
積雪量
(cm)
雪日数 大雪
日数
1月 174.8 59.0 29.2 5.2
2月 147.0 71.5 26.4 3.7
3月 138.1 66.4 27.2 3.5
4月 30.9 33.9 7.8 0.5
5月 - - - -
6月 - - - -
7月 - - - -
8月 - - - -
9月 - - - -
10月 4.1 1.5 0.6 0.1
11月 83.8 14.2 11.1 3.1
12月 184.7 39.8 26.6 6.4

 ここで用語の定義についての説明を少し。

 「雪日数」とは、1cm以上の降雪があった日数を表します。美瑛では冬季にあたる12月~3月は、ほとんどの日で1cm以上の降雪があったということがわかります。

 次に「大雪日数」ですが、 10cm以上の降雪があった日数を表す語句として当ブログで勝手に付けた名前です。よって気象用語ではこのような語句はありませんが、かなり大量の降雪があった日数を表現するために、あえてこのように呼ぶようにしました。
 大雪日、つまり10cm以上の降雪があった日数は、12月が最も多く、次に1月という順で、2月・3月は大雪となる頻度がかなり少なくなってきます。

 前回まで見てきた日照率や晴れ日数のデータも合わせて分析すると、1年のうち12月が最も降雪量や大雪または曇天となる日が多く、晴れ間が見える日が非常に少ないということがわかります。
 この状態は年を越して1月上旬まで続きますが、以降徐々に解消されていき、2月に入ると依然ほとんどの日で雪は舞いますが、大雪や曇天となる日は減って晴れる日が増えていくという傾向になることが分かります。

 ダイヤモンドダストやサンピラーは、美瑛では12月~3月にかけて見ることができますが、以上の分析結果より、晴れて日が差す寒い朝というダイヤモンドダスト発生の気象条件は、2月をピークに、1月下旬~3月上旬に頻発する確率が高いと言えるかもしれませんね。

 本日の最後は、美瑛の雪に関する気象レコードを紹介します。

 ★1日のうち最大降雪量を記録したのは、2000年4月11日51cm
 ★過去最深積雪量を記録したのは、1999年3月3日125cm

 次回は、大雪になる確率の高い日について分析してみたいと思います。
(予め告知しておきますが、今週が1年のうち一番大雪になる確率の高い日が多い週です。)

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美瑛の晴れの特異日〜晴れ日数による分析〜

 今回は『美瑛の晴れの特異日』について、「晴れ日数」による分析を行いたいと思います。

 「晴れ日数」は、日照時間が可照時間の40%以上(つまり日照率40%以上)の日数として、ある期間内の「晴れ」の日数をカウントするものです。

 日照率が40%以上の高い日は、空に雲が少ない日であると考えられますので、十勝岳連峰や旭岳などの雄大な山々の風景を眺望できる可能性の高い日であるとも言えるでしょうね。

 1986年9月18日~昨日までのデータを分析した結果、美瑛における年間晴れ日数は137日で、これを月別にすると、下図のようになります。
晴れ日数
1月7.8日
2月11.3日
3月13.7日
4月13.5日
5月13.9日
6月12.8日
7月11.5日
8月13.1日
9月13.7日
10月13.3日
11月6.7日
12月5.7日

 日照率による分析と同様に、春と秋に晴れ日数が多い傾向が出ていますね。

 今回は晴れの特異日を分析することが目的ですので、この晴れ日数の考え方を用いて、「1日のうち日照率が40%以上あった確率」を各日毎に分析してみました。これを当ブログでは「晴れ日率」と呼ぶことにします。

 その結果、晴れ日率が60%以上ある日』は、年間で14日ありました。これを前回の『日照率が45%以上の日』と合わせて見やすいように日付順に表示すると、下図のようになります。

日付日照率晴れ日率
2/2446.1%53.8%
2/2543.8%61.5%
3/945.7%53.8%
3/1048.7%57.7%
3/2847.0%50.0%
3/2951.8%69.2%
4/745.4%53.8%
4/846.8%61.5%
5/144.2%61.5%
5/647.1%57.7%
5/2843.3%65.4%
5/2946.9%57.7%
5/3044.1%65.4%
6/1140.4%61.5%
6/1839.3%61.5%
8/941.5%61.5%
8/1846.3%61.5%
8/2746.5%65.4%
9/445.8%50.0%
9/1446.6%73.1%
9/1648.3%65.4%
9/2351.6%66.7%
9/2950.9%59.3%
10/147.0%59.3%

 以上の分析結果によると、日照率45%以上、晴れ日率60%以上の両方に該当する日が7日ありますので、これを当ブログでは『美瑛の晴れの特異日』、どちらか片方が該当する日が17日ありますので、これを『美瑛の晴れの準特異日』と勝手に認定させて頂きたいと思います。

 来年は、晴れの特異日・準特異日を中心に丘めぐりを行えば、今年のように雨に悩まされる可能性がかなり低くなるのではないかと、密かに期待しています。

 まだ四半世紀を若干超える程度の気象データからの分析ですので、今後もこの傾向が続くかどうかは分かりませんが、これからも気象データの収集・分析を行って、随時アップデートしていきたいと思います。

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美瑛の晴れの特異日〜日照率による分析〜

 先日のブログでの予告通り、今回は『美瑛の晴れの特異日』についての分析結果を記載します。

 気象庁の過去の気象データ検索で「日ごとの平年値」が公開されていますが、この平年値は9日間の移動平均を3回繰り返した平滑平年値として算出しているため、その日の特徴的傾向が全く分からなくなってしまっています。

 よって晴れの特異日分析は、先日と同様に1986年9月18日~昨日までの26年分以上の日照時間を各日毎に地道に収集し、日の出・日の入時刻から得られる可照時間から、日照率を各日毎に算出するという方法をとりました。

 日照率の年間平均は32.6%ですが、日照率が45%以上だった日は、年間でたった17日しかありません。

 以下が、日照率45%以上の日を、日照率の高い順に並べた結果です。

日付日照率日照時間可照時間
3/2951.8%6.512.61
9/2351.6%6.312.13
9/2950.9%6.011.83
3/1048.7%5.711.66
9/1648.3%6.012.47
5/647.1%6.814.37
10/147.0%5.511.73
3/2847.0%5.912.56
5/2946.9%7.115.15
4/846.8%6.113.10
9/1446.6%5.912.57
8/2746.5%6.313.44
8/1846.3%6.413.85
2/2446.1%5.010.92
9/445.8%6.013.06
3/945.7%5.311.61
4/745.4%5.913.05

 以上の日について、当ブログでは『美瑛の晴れの特異日』候補と勝手に認定し、美瑛の丘めぐりに行く際の重要な候補日として、是非これから有効活用していきたいと思います。


 これとは反対に、日照率の低い日、つまり『晴れない特異日』候補を分析してみたところ、日照率が15%以下だった日は、年間で13日ありました。

 以下が、日照率15%以下の日を、日照率の低い順に並べた結果です。

日付日照率日照時間可照時間
1/1010.75%1.09.16
12/511.23%1.09.10
11/1611.40%1.19.65
11/3011.70%1.19.21
1/411.87%1.19.04
12/413.44%1.29.12
12/1413.51%1.28.97
12/1613.66%1.28.96
12/1114.40%1.39.00
12/3114.41%1.39.00
11/2514.50%1.49.35
12/1714.91%1.38.95
12/2414.97%1.38.94


 次回は「晴れ日数」という観点から、 晴れ特異日を分析したいと思います。

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美瑛の日照率が高い時期は?

 先日のブログでご案内したとおり、今回から数回にわたって、美瑛でいつ晴れる日が多いかを分析していきたいと思います。

 先日の日の出・日の入に関するのブログで「可照時間」という用語を紹介させて頂きましたが、今回は新たに「日照時間」と「日照率」という用語を紹介します。
 日照時間とは、気象台やアメダスなど日照計により観測される日が照った時間数のことを言います。ここでいう「日が照った」とは、日照計で測定される直達日射量が120W/㎡以上である時間と定義されており、分かりやすく言うと、直射光によって物体の影が認められる程度以上の日射量を表すそうです。
 日照率とは、日照時間÷可照時間、つまり日の出や日の入に伴う可照時間の長短を考慮して日が照る確率を表したものです。この日照率こそが晴れる確率を表すといっても良いでしょう。

 美瑛町では、以上の定義に基づく日照時間測定を1986年9月18日から行っており、まだ歴史は浅いですが四半世紀以上の日照時間測定データが蓄積されておりますので、季節による傾向や晴れの特異日などの判明が期待できそうです。

 今回は、各月の旬ごとの日照時間・可照時間・日照率を算出しましたので、下表をご覧ください。
(統計期間:1986年9月18日~2012年11月30日 日照時間および可照時間は1日当たりの時間

月 旬 日照時間 可照時間 日照率
1月 上旬 1.7 9.1 19.1%
中旬 2.2 9.3 23.9%
下旬 2.8 9.6 29.2%
2月 上旬 3.4 10.1 33.8%
中旬 3.3 10.5 31.8%
下旬 4.1 11.0 37.2%
3月 上旬 4.4 11.4 38.9%
中旬 4.3 11.9 35.9%
下旬 4.9 12.5 39.4%
4月 上旬 5.2 13.0 39.9%
中旬 5.3 13.5 39.2%
下旬 4.7 13.9 33.5%
5月 上旬 5.4 14.4 37.3%
中旬 5.3 14.7 36.0%
下旬 5.4 15.1 35.6%
6月 上旬 5.0 15.3 33.0%
中旬 4.8 15.4 31.1%
下旬 5.5 15.4 35.8%
7月 上旬 4.7 15.3 30.8%
中旬 4.2 15.1 27.8%
下旬 4.5 14.8 30.5%
8月 上旬 5.0 14.4 34.4%
中旬 4.6 14.0 32.8%
下旬 4.7 13.5 35.2%
9月 上旬 4.9 13.0 37.9%
中旬 4.5 12.5 36.3%
下旬 4.8 12.0 39.8%
10月 上旬 4.5 11.5 39.2%
中旬 4.2 11.0 38.1%
下旬 3.6 10.5 33.8%
11月 上旬 2.6 10.1 25.7%
中旬 1.9 9.7 20.1%
下旬 1.9 9.3 20.5%
12月 上旬 1.6 9.1 18.1%
中旬 1.6 9.0 18.1%
下旬 1.7 9.0 19.4%
平均 4.0 12.2 32.6%

 日照率が高い時期は、3月下旬~4月中旬9月下旬~10月上旬。逆に日照率が低い時期は、12月上旬~1月上旬。季節による明確な傾向が出てますね。 

 3月下旬~4月中旬といえば、積雪量の減少とともに丘に融雪剤がまかれ、やがて雪解けを向えるといった時期ですね。また9月下旬~10月上旬といえば、旭岳や十勝岳、白金付近での紅葉の見頃の時期に重なることが多いと言えそうです。

 意外なことに、7月の日照率はかなり低く、晴れる日があまり多くないことが分かります。夏季に美瑛に訪れるのであれば、6月下旬か8月上旬・下旬が統計上、晴れる確率が高いということになります。

 次回は晴れの特異日を分析したいと思います。

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美瑛の日の出・日の入

 今回は美瑛の日の出・日の入についてを調べてみました。丘で撮影するにあたって、日の出・日の入時刻は、とても重要ですからね。

 下表は、美瑛町における今年の日の出・日の入時刻を五十日に絞ってピックアップしたものです。年による誤差は最大1~2分程度であり、閏年で誤差がほぼリセットされますので、以下のデータは年を問わず利用できると思います。

美瑛の日の出・日の入
 
 美瑛町はやはり北に位置するだけあって、夏は日が長く、冬は極端に短いですね。それに北海道は日本国内で最も東に位置しますので、夏の日の出の早さと冬の日の入りの早さは、関西以西の方々には、まるで異国のように感じるかもしれません。

 夏至および冬至のデータは以下の通りです。
日付日の出日の入可照時間
夏至(6/21)3:4819:1515:26
冬至(12/21)7:0015:568:56

 可照時間とは、一般的に雲や山など地形の影響を無視して太陽からの日照が当たりうる時間のことを言いますが、日の出から日の入までの昼の時間とほぼ同じですので、当ブログでは「可照時間=日の出から日の入までの時間」として扱います。

 次回以降、数回にわたって、 この可照時間と気象データから得られる日照時間を分析して、美瑛でいつ晴れる日が多いかを分析していきたいと思いますので、乞うご期待を!

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美瑛の初降雪と根雪

 今回は美瑛の雪についての気象情報を調べてみました。

 まず、初雪の時期を調べてみようと思いましたが、気象台や測候所などでしか観測していなようでしたので、美瑛の初雪情報は得ることはできませんでした。
 気象庁及び各地の気象台が発表する「初雪」の定義では、「寒候期が来て初めて降る雪。みぞれでもよい。」となっており、降雪量を問わず、たとえわずかな時間でも雪が少しちらつけば「初雪」となるそうです。参考までに、旭川の初雪平年値は10月23日、札幌は10月28日とのこと。

 美瑛で取得できるデータは、降雪量と積雪量のデータのみ。降雪量0cmでも雪が降れば初雪となりますが、「過去の気象データ検索」では降雪量0cmで雪が降ったか否か判別できないため、「寒候期が来て初めて降雪量1cm以上を記録した日」を初雪の代わりに調べてみることにしました。

美瑛の気象情報-降雪初日

 1983年~2012年の降雪量1cm以上初めて記録した日の平均は11月6日で、最も早かったのが10月18日、最も遅かったのが11月29日でした。年によるバラツキがかなりありますが、10月、11月の平均気温に上昇傾向が見られることが影響したのか、傾向としては遅くなってきているように見えます。

 次に、根雪がいつ始まるかについて調べてみました。
根雪とは、気象庁の用語では「長期積雪」といい、積雪が30日以上継続した状態のことを言います。よって、今年は11月18日に積雪を記録して以降、今日まで積雪した状態が続いていますが、これが根雪かどうかの確定は、12月18日まで待たなければなりません。

美瑛の気象情報-根雪初日

 1983年~2011年の根雪初日の平均は11月26日で、最も早かったのが11月12日、最も遅かったのが12月12日でした。こちらのほうも、10月、11月の平均気温に上昇傾向が見られることが影響したのか、傾向としては遅くなってきているように見えます。

 以上のことから、「寒候期が来て初めて降雪量1cm以上を記録した日」から平均して約3週間後に根雪になるということになります。
 また、「寒候期が来て初めて降雪量1cm以上を記録した日」と「根雪初日」が同じ日だったのは、過去に2007年の1度しかありませんが、果たして今年で2回目となるのでしょうか。

 最後に、根雪がいつ終わるかについて調べてみました。

美瑛の気象情報-根雪終日
 
 1984年~2012年の根雪終日の平均は4月8日で、最も早かったのが3月27日、最も遅かったのが4月20日でした。根雪が終わる時期については、こちらも年によるバラツキがかなりありますが、特にこれといった傾向は見受けられませんでした。これは3月、4月の平均気温に大きな変動が見られないためと思われます。

 以上の根雪の初日~終日の日数を合計すると、美瑛町の根雪期間は平均134日間となり、1年のうち約4か月半くらいの間、大地が雪で覆われていることになります。
 やはり北の大地の冬は長いですね。

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美瑛の気象を調べてみました

 今年の美瑛は、冬はとても寒く、夏は異常なまでに残暑が長引くといった気候でしたが、これは例年と比べてどうなのかを知りたくなって、気象庁ホームページの「過去の気象データ検索」で調べてみました。

 その前に、気象用語の解説を少し。
 よく「平年値」って言葉を天気予報等で耳にしますが、この「平年値」とは、過去30年間の平均の値で、10年ごとに更新されています。直近では2011年5月18日から新しい平年値になりました。それまでは2001年に更新された「1971年から2000年までの30年間の平均」を使っていましたが、昨年からは「1981年から2010年までの30年間の平均」を使っています。

 美瑛町の平年値は下図のとおりです。
美瑛の気象情報-平均値

 この平年値と比べ、今年がどうであったかを比較しみるとともに、地球温暖化の影響が年代ごとにどのように気温に表れているかも調べてみたかったので、以下の6つで比較表を作ってみました。
 ◆ 平年値(1981年~2010年の30年間の平均)
 ◆ 1981年~1990年の10年間の平均
 ◆ 1991年~2000年の10年間の平均
 ◆ 2001年~2010年の10年間の平均
 ◆ 直近5年間(2007年11月~2012年10月)の平均
 ◆ 今年(2012年)

 まずは、平均気温から。
美瑛の気象情報-平均気温

 これを10年単位で見ると、7~8月の真夏の気温に大きな変化はありませんが、1~2月の真冬の時期、5~6月の春~初夏の時期、10~11月の秋~初冬の時期に明確な気温の上昇傾向が見られます。また、直近5年のデータでは、以上の傾向に加え、9月の気温上昇、つまり残暑が長引く傾向が見られます。
 今年の特長としては、1~3月は非常に寒く、平年値はもちろん、1980年代の平均値も下回る寒さであったことがわかります。また、夏は平年値よりも暑く、特に9月は平年値を4.5℃も上回る異常気象であったことがわかります。

 次に、最高気温。
美瑛の気象情報-最高気温

 こちらも平均気温とほぼ同様に、10年単位で見ると、1~3月の真冬の時期、5~6月の春~初夏の時期、10~11月の秋~初冬の時期に明確な気温の上昇傾向が見られます。また、直近5年のデータでは平均気温と同様に以上の傾向に加え、9月の気温上昇、つまり残暑が長引く傾向が見られます。
 今年の最高気温の特長も平均気温とほぼ同様に、1~2月は非常に寒く、夏は平年値よりも暑く、特に9月は平年値を4℃も上回っていました。

 最後に、最低気温。
美瑛の気象情報-最低気温

 こちらは、平均気温や最高気温と違い、10年単位で見ても6月を除き明確な上昇傾向は見られませんでした。
 昔の方が冬の寒さが厳しかったという話を良く聞きます。確かに1980年代の1~2月は他の年代と比べて低いですが、年々上昇傾向にあるという訳でもなさそうなので、単に最低気温の平均値で比較するのではなく、最低気温が-20℃以下の日数で比較する等、別の視点で分析してみる必要がありそうです。
 今年の最低気温の特長も平均気温と同様に、1~3月は非常に寒く、平年値はもちろん、1980年代の平均値も下回る寒さであったことがわかります。また、8~10月は非常に暑く、特に9月は平年値よりも5.3℃も上回り、7月とほぼ同等の最低気温でした。

 美瑛町の気象観測は、1976年5月より降水量の観測から始まり、1977年10月より気温、風向・風速、日照時間、1983年9月より降雪・積雪の観測が始まり、1986年9月から日照時間の観測方法に変更がありました。
 まだ30年余りのデータしかありませんが、最高気温、最低気温のレコードは以下の通りです。

  最高気温 34.9 1984年8月16日
  最低気温 -33.2 1985年1月24日

 参考までに、美瑛で最低気温レコードを達成した1985年1月24日の旭川の最低気温は-27.8℃でした。旭川で-41.0℃の最低気温日本レコードを達成した1902年1月25日に、もし美瑛で観測していたとしたら、果たしてどのような数字が出ていたのでしょう。

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プロフィール

丘の旅人

『美瑛の丘をめぐる旅』 を中心に、北海道の旅行記や街めぐり&ドライブ日記を綴っています。


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