今年最初のブログは、昨年(2015年)の美瑛の気象状況について、直近30年の平均値と比較しながら振り返ってみたいと思います。

 グラフは、赤が
直近30年の平均値、青が2015年の値となります。

 まずは気温について。
平均気温
最高気温
最低気温

 2015年の年平均気温は6.8℃。

 これは直近30年の平均値(1986年~2015年)5.8℃、気象庁発表の平年値(1981年~2010年)5.6℃に比べるとかなり高く、観測史上3番目の高温でした。
 
 ちなみに、過去最高は1990年の6.9℃、2番目は2010年の6.8℃です(
2010年と2015年では、2010年の方が0.01℃高温でした)。

 昨年は、特に1月~3月の気温が高く、まさしく暖冬でした。

 また、4月中旬~5月上旬の気温(特に最高気温)が高かったため、エゾヤマザクラがゴールデンウィーク期間中に開花し散ってしまうという早さでした。

 この時期の暖かさが、雪融けの大地を乾かし、秋蒔き小麦の成長を促進し、播種の時期を早め、豊作に繋がったのかもしれませんね。

 一方、6月下旬~7月上旬は低温の時期が続きましたが、逆にこの低温が幸いして、小麦がゆっくり成長しながら実がしっかりとしてきて、7月中旬以降の高温で、質・量ともに、近年稀に見る豊作となったと言われています。

 また、ここ数年続いていた9月の残暑は、去年は影をひそめ、平均値を若干下回る気温で秋が推移していきましたので、紅葉も早めに訪れた感じでした。

 次は日照時間。
日照時間

 2015年の日照時間合計は、1,592時間。

 これは直近30年の平均値(1986年~2015年)の1,473時間を上回りますが、2014年の1,785時間には遠く及ばない日照時間となりました。

 時期別に見ると、3月下旬~4月上旬の日照時間の長さが雪融けを早め、4月下旬~5月上旬の
日照時間の長さが、大地を乾かし、秋蒔き小麦の成長を促進し、播種の時期を早め、5月下旬や7月上旬~中旬の日照時間の長さが作物を成長させることで、豊作に繋がったのではないでしょうか。

 次に降水量について。
降水量

 2015年の降水量合計は、927mm。

 これは直近30年の平均値(1986年~2015年)の977mmを下回るとともに、昨年の953mmも下回り、2年連続して平均値を下回りました。

 時期別に見ると、7月下旬~8月中旬の小麦や馬鈴薯などの収穫期に降水量が多かったため、収穫作業にかなり影響が出たようです。

 最後に降雪量・積雪深について。
降雪量
積雪深

 2015年の降雪量合計は、611cm。

 これは直近30年の平均値(1986年~2015年)の751cmをかなり下回る少なさでした。

 特に1月~3月は暖冬も相まって積雪も少なく、根雪最終日は3月29日と、
直近30年の平均値(1986年~2015年)である4月8日よりも10日早い雪融けとなりました。

 また、今冬の根雪初日は11月21日で、
直近30年の平均値(1986年~2015年)である11月26日よりも5日早い根雪となりました。

 
今冬はエルニーニョ現象による暖冬と言われ、12月の気温は平年より高めでしたが、積雪深は平年より若干多めで推移し、年が明けて先週あたりから、かなり冷え込むようになってきました。

 今朝は氷点下20℃近くまで冷え込み、ダイヤモンドダストが見れたようですが、果たして今年の美瑛の気象はどうなるのでしょうか?


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